2022-03-20

ぼくらのよあけ、酷評。※ネタバレあり

話題になっていた『ぼくらのよあけ』を読んだが、正直評価に値する作品とは思えず。

作者の「ジュブナイルものを描いてやろう」という意識けが強すぎて、お約束のアレもコレもやろうとして、結局全て失敗したようにしか見えないんだが。

何よりもまず、過去舞台にしている訳ではないのにノスタルジー臭がキツすぎて、本来ジュブナイルが目指すべき「未来ときめく少年少女の話」に全くなっていないのだ。

オッサンバサンが見て「いいなあ」と思う子供像だけを詰め込んだようで気色が悪い。

小学生時代にしがみつく後ろ向きさ、想像力の狭さが剥き出しで、こんなもん子供が見ておもろいんかなと思う。

AI側・主人公側の描写も両方薄く、キャラクターとしての魅力がどこにもないのも致命的。

AI故郷に返そうとする主人公個人的動機同調できず、話に全然ノレない。

主人公少年テンプレキャラの域を一切出ておらず、具体的にどういう少年なのか、どこが他の子供と違うのか、何がどう魅力的なのか、

作品を読み終わって尚、それを他人説明できる気がしない。

「作者に都合のいい子供像だよ」くらいしか言うことがない。

地球AIを元の惑星に送り返してやるのがストーリー目的なのに、話の大半でしょうもない小学生いじめだの何だのをダラダラやってるのも意味不明主人公関係ないし。

作者は本当にこんなものを描きたかったのだろうか?

本編自体ははっきり言って何の捻りもない単純すぎる展開なのに、とても整理できているとは思えない。

そもそもジュブナイルものの核には冒険があると思うのだが、両親が揃った保護体制の下、「安全に行われる冒険」にはなにも魅力を感じない。

何なら、「終盤は親がやる事を決めてそれを子供やらせるだけ」という場面まである始末で(クライマックスですらそんな感じ)、まるで親の命令自由研究をさせられる子供を見ているようだ。

ここまで「閉じて」「自由を感じない」ジュブナイルは初めて読んだかも知れない。

こういう大人オナニー評価してしまうと、ジュブナイルものにとっていい未来が待っているとは思えない。

山崎貴ファンはこういうのがお好きだろうな。

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