友人が近々結婚する。
アラフォーの俺らは未婚率が高く、もう結婚は諦めていたはずのうちの一人がいきなりの結婚。
そんなドラマのようなこともあるものかといささか羨ましさを感じつつ、いつものメンバーで集まって前祝い。
出会った経緯や年齢、職業、写メ見せろだの一通り盛り上がったあと誰かが言った。
『相手、初婚なの?』
まぁ俺らぐらいの年齢になればこっちが初婚だろうが相手がそうとは限らない。
誰も突飛な質問とは感じなかっただろう。
「・・・知らない。」
そこそこ飲んでいい感じに出来上がりつつあった俺らも、
さすがに えっ? という雰囲気になり、一瞬で場がしらけた。
数秒の無言状態が続き、また誰かが言った。
『知らないってこたぁ〜ないだろ!さすがに!結婚すんだろ〜?子どもは???』
「・・・それも知らない。」
こういう時、一体どうすりゃいいんだ。スルーした方がいいのか??でもこれ大丈夫なのか??
このままこいつが素性のわからない女と結婚するっつってんのを見過ごして
いきなり人生超ハードモードになったりするかもしれないのをスルーしていいのか????
それともいくら友人とはいえ、そんなことに口出しするのはおせっかいなのだろうか????
色々な思いが頭を駆け巡ったが、結局言ってしまった。
『それはダメだよ、ちゃんと聞かないと。籍入れて実はバツ3で子ども5人いました〜♪養ってね♡ とかなったらどーすんの??』
『そりゃ俺らもそんなことはないと思うけどさ、もしあったらお前どーすんの?やっていけんのか?』
『だったら尚更聞くべきだろ。どうなってもやっていく覚悟があるならお前の好きにしろって言えるけどさ。』
「聞いたんだよ、実は。って言っても俺が聞いたんじゃないんだけどさ。」
出会って1ヶ月での結婚。両親兄弟含め、殆どの親族が祝ってはくれているものの
やはり初婚・子持ちかを聞かれ、知らない、と答えたところ
皆が「それははっきりさせないと」と言ってくる。
新郎自身もやはり気になっていたようで、付き合い始めてすぐ(出会って1週間程度)で
一度新婦にチラっと聞いてみた事があるらしい。
すると新婦、大勢の客がいる居酒屋で泣き出してしまったというのだ。
それ以来、その話は一切口に出せなくなってしまったとの事。
そういう経緯があり、その事は(自分では)確認が難しい旨を親族に伝えた上で迎えた親族顔合わせ。
新郎の親族としては皆、その席で新婦側からその件に関する話を出してくれるものかと思って臨んでいたようだが
そろそろお開き、という時間になっても一切新婦の過去に関する話題は無し。
痺れを切らした親族の一人が、
と、口火を切った。
これではマズいと思った新郎が必死に言葉を考えていた所、新婦の父親がブチ切れ。
「お前らは一体何なんだ!!!ウチの子はな!被災してとんでもないめに遭ったんだよ!!!!
やっといい人が見つかって次の一歩が踏み出せそうだというのに!!!なんでそんな水を差すような事を言うんだ!!!」
「お前らには被災者の気持ちはわからないだろう!!だからそんな非人道的なことをぬけぬけと質問出来るんだ!
ウチの子はお前らの何十倍も辛い思いをしてきたんだ!それなのにもっと苦しませようってのか!鬼め!!」
新婦・新婦母大泣き、新婦父激怒で退席し、顔合わせは最悪の状態で終了。
新郎もさすがに破談を覚悟したそうだが、その後はお互い何事も無かったように縁談が進んで行ったらしい。
新郎は結論として、
「離婚歴も子どももわかんないけど、俺は◯◯ちゃんが好きだし、◯◯ちゃんを信じるしか無い。
今まで辛い思いをしてきた分、幸せにしてあげたい。」
と言った。
俺らも、
『そっか。』
としか言えなかった。
で、近々その2人の結婚式に参列するわけだが。
どうしても釈然としない。
むやみやたらに過去の悲しい経験を思い起こさせるのは絶対にやってはいけないことだ。
でも、結婚してこれからの人生を一緒に歩んで行く人であってもそれは聞いてはいけないことなのか?
相手に子どもがいるかいないか、なんて男にとってもかなり重要な情報だ。
もちろん、それを聞いても聞かなくても結婚するかもしれない。でも、しないかもしれない。
愛さえあれば、とか言うけどさ、世の中そんな甘くないぜ?
被災したから過去は一切話せません。でも結婚はしたいです。とかおかしいだろ。
そんなの許してたら何でもありじゃねーか。
そう思ってしまう俺は鬼なんだろうか。
文章を1/3にまとめてやり直し。
そう思ってしまう俺は鬼なんだろうか。 友人のことを心配してるようでこんなところに書く辺り鬼だわ。
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