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2013-02-03

http://anond.hatelabo.jp/20130203025001

 そういう歴史必然性みたいなのもよく聞く話なんだが、実際にはやはり反省意味はある。

 たとえば、第一次世界大戦後の戦後処理。知っているとは思うが、第一次世界大戦後、敗戦国ドイツに対して、フランスを中心とする戦勝国は莫大な賠償金を課した。世界恐慌などの不幸もあったが、賠償金の支払いはドイツ戦後復興を極めて困難にした。当時でも、ケインズなんかはドイツ経済復興を支援すべきだと論じていたが、復讐燃えるフランスを中心とした国々はドイツを徹底的に痛めつけることを望んだ。その結果がヒトラーの台頭だ。対ヒトラーとしては、イギリス宥和政策の失敗なんかが挙げられるが、実際には第二次世界大戦の根っこはそうした戦後処理のまずさにあった。そうした反省の結果、第二次世界大戦後には敗戦国に対して実行不可能な賠償を課すという方針は避けられるとともに、金融不安が生じさせる政治的危機を回避するために国際機関が設置された。

 こういう側面を見ると、歴史反省する意味はあると思わない?日本にしても、昭和16年夏に「日米戦わば必敗」という結論が見えていたにもかかわらず、戦争突入してしまった。それ以外でも、日本の膨張的な外交政策に対する批判は当時から存在していた。「アジア解放」を訴える日本がなぜ中国戦争しているのか、どうしても理解できなかったという回顧も聞く。日本人の多くが中国人朝鮮人に対して差別的な意識を持っていることへの嘆きもあった。にもかかわらず、そうした批判の表明を困難にしてしま空気が生み出された原因は考える必要がある。

 もちろん、当時において個人のレベル歴史の流れを変えることは不可能だったろうが、後に生まれた者の特権として反省はある。その意味でも、歴史は「過去現在の対話」なんだろう(E.H.カー)。そうしたアドバンテージを活かすこともなく「仕方がなかった」で済ますというのは一種の思考停止だと思う。過去から学ぶことを否定する態度のうえにある改憲論はやはり怖い。

 
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