2024-11-10

砂糖の過剰摂取は人々の健康に悪影響を及ぼすといわれていますが、実際に人々が幼少期に摂取した砂糖の量を測定し、その後の健康状態を知ることは困難です。そこでアメリカカナダ研究チームは、第二次世界大戦から1953年まで砂糖配給制だったイギリスの人々を対象研究を行いました。

イギリスでは第二次世界大戦中の経済的困難により、政府が食料の配給制を導入せざるを得ませんでした。肉や砂糖といった一部の食品戦後もしばらく配給制が続けられ、砂糖の配給量は成人でも1日40g未満に抑えられ、2歳未満の子どもは0gでした。もちろん、親は自分が配給を受けた砂糖の一部を子どもに分け与えていた可能性が高いですが、自由砂糖が手に入る時期と比べると子ども砂糖摂取量は大幅に少なかったと考えられます

配給制が終わると、イギリスにおける砂糖消費量は一気に増加し、1日平均で約80gに達しました。この劇的な環境変化により、研究チームが「砂糖配給制であり幼少期にあまり砂糖摂取できなかった人々」と、「幼少期から砂糖比較自由摂取できた人々」を比較することが可能になったとのこと。

研究チームはイギリスの大規模バイオバンクであるUKバイオバンクから砂糖配給制廃止される前後にまたがる1951~1956年に生まれた6万183人のデータ抽出し、胎児から幼少期にかけた配給制の有無と成人後の健康状態関係を調べました。

分析の結果、妊娠から生後2年間の約1000日間にわたって砂糖配給制だった子どもたちは、成人になってから2型糖尿病発症するリスクが平均35%低く、高血圧発症リスクも約20%低いことがわかりました。

赤ちゃん母親の胎内にいる時点で配給制が解除され、生後は砂糖自由に手に入る状況だった場合でも、成人後の慢性疾患の発症リスクは低下しました。また、たとえ成人後に2型糖尿病や高血圧になったとしても、胎児から幼児期にかけて砂糖摂取制限されていた人々は2型糖尿病発症時期が約4年、高血圧発症時期が約2年遅くなる傾向がありました。

  • どう考えても摂取量が少なかったのは砂糖だけじゃないよな

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