2023-12-24

弱者男性救済法

また少子化対策として政府が行った政策画期的だった。

それは、”美少女弱者男性に配る”というもの

政府試験管ベイビーとして美少女ちゃんを作り、彼女クローンを量産すると弱者男性のもとに配ることにした。

こうして弱者男性のもとには美少女ちゃんが訪れ、弱者男性美少女ちゃん平和な家庭を築き、無敵の人による犯罪率も低下。

同時に、少子化問題解決するかのように思われた。

だが、現実はそう甘くなかった。

「あ…ねぇ、ねぇ、見て見て! あの人…ほら」

政府から与えられた美少女ちゃんを連れて歩く男性

すると後ろ指をさされ、クスクスと笑われる。

何故なら例の美少女ちゃんを連れて歩く=弱者男性という認識はもはや誰もが知るところであり、彼女を連れて歩くことはすなわち自分弱者男性であることの証明のようなものであった。

それに気づいた弱者男性たちは途端に美少女ちゃんに対する目の色を変え、彼女を蔑み、そして捨てていった。

町には捨て犬ならぬ捨て美少女ちゃん達で溢れはじめ、既に一部では社会問題化しようとしていた。

彼女たちは住む場所を無くし、頼る相手も居らず、たいていの美少女ちゃんは成す術もなく野垂れ死んでいった…

政府は自らの政策の失敗、それを認めようとはせず美少女ちゃん達の行く末を静観していた。

そしてこの町にもまた一人、捨てられた美少女ちゃんが居た…


寒い。とても寒い

着るものはもうボロボロだった。

彼女段ボールの中で膝を抱えて座り、何も見ず、誰も恨むわけでもなく、ただ寒さに体を震わせていた。

雪の降る日だった。

雪は容赦なく彼女身体の上にも積もり始めていた。

ああ。きっとこのまま私は……

そんなときだった。

大丈夫?」

雪が止んだ。

顔を上げると、頭の上には傘があった。

そして目の前には一人の男の人が。

美少女ちゃんは男を見つめる。

男はゆっくり、優しく微笑みかけた。

美少女ちゃんは驚き、白い息を吐きながら尋ねる。

「……あなたは?」

「僕? 僕の名は——」

増田だよ。

増田…さん」

増田ゆっくり美少女ちゃんに手を伸ばす。

彼女は震える手を伸ばし、増田の手を握り——

12月24日

雪の降る寒い夜。

それが二人の出会いだった。

メリークリスマス

増田言葉美少女ちゃんの顔は思わず綻んだ。


これは世間から、そして世界から捨てられた一人の美少女と、彼女を拾った増田が織りなす愛のストーリー

弱者男性 —美少女ちゃんとの幸せな日々—』

週刊増田ダイアリ―にて好評連載中!!!

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