2023-11-04

怖い夢を見た

粗末なボートに乗っていた。そろそろ家路につこうと漕ぎ出したら、急に人が増えてきて、ボートの周りを取り囲むようになり身動きがとれなくなってきた。 どうやらこの人たちは50人ぐらいの数珠つなぎになっており、自分はその輪の中に居るらしく、いくら動いても抜けられない。

顔ぶれは西洋人が多く、みなあらぬ方を見つめて無表情だ。こちらに関心を向ける様子がなく、なすすべのない超常現象に囚われてしまったという感じがする。ゲームバグに出くわした時みたいだ。エラー表示みたい。人間なんだけど、意思疎通は出来なさそうだ。何事か口元でもご、もごと唱えているように見える。沢山の人の呟きが一定リズムで重なり、ボウ、ボウと低音が響く。

帰れない。あたりはうっすら霧がかかっており、いくら進んでも輪から出られないことに気づいた時には息が苦しくなってきた。

この奇妙な輪は水上で、押し合いへし合い別の輪がアメーバのように形を変えあたり一帯に広がっている。別の輪の中にもそれぞれ人が囚われていて、みなパニックだ。

そうしていると頭上から声が降ってきた。

どうやらこれは人類への罰らしい。

船に乗って居ない人も居る。

早く助けないとそのうち力尽きて溺れてしまうと思い手を伸ばした。

輪に邪魔されながらなんとか助けることが出来た。

船の上で怯えてる人を一人一人仲間にしていった。

人類の罪になる出来事否定した。

傍観者だってなるものかと、そんな罰うけるものかと、NOを突きつけるうちに輪は消えていた。

家に着くとすっかり夜だった。

子供の頃住んでた団地だった。

部屋の中に凛とした雰囲気メガネ少女が居て、年は10代後半だろうか、私はその人に厚い信頼を寄せていた。

散々な一日だった。

窓の外を見ると、西洋人の男が一人バナー広告みたいに浮かんでた。まだ続いてる。

人の輪の時と違うのは、男にうっすらと表情があり、こちらを認識しているように目線をじっと向けていることだった。

窓の外に人の視線があるのは嫌だなあと思い、窓を閉めた。

すると少しして、少女が窓を少し開けた。リスクヘッジよ、と言いながら。

そうだった。

密閉された空間はよくないのだ、あいつらが現れる恐れがある。少し開けておけばそのリスク回避できる。

安堵して、もう限界だったのもあり、少し離れたところにいる少女に抱きしめて安心させて欲しいと声をかけた。

そのやり取りをしていると、窓の外の、うっすら無表情の男が口角を吊り上げて嫌な笑みを浮かべた。

こいつは直接私に何かをすることは出来ないのだが、私が大切に思う人のイメージを見せてきて、そちらに危害を加えると伝えてきた。

やめてくれ!と力いっぱい叫んだ、寝ている私が寝言を言ってるみたいな、ふぬけた声だった。

ぶっころしてやる!これもうまく言葉にならなかった。

男はまだいやな笑みを浮かべてる。そこで目がさめた。

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