関東大震災から100年ということで朝鮮人虐殺の話題が次々はてブに上がっていて、それはそれで大事なことだと思うが、他にも色々と転機になる出来事があった。
例えば復興支援のための大幅な金融緩和。これが銀行のリスク管理を緩め、溜まってゆく不良債権の山が台湾銀行などの首を絞めてゆくことになる。そして「渡辺銀行が破綻した」という国会での失言が引き金となり昭和金融恐慌へとつながっていく。
例えば甘粕正彦という憲兵隊中尉。震災の大混乱に乗じて、アナーキスト大杉栄を虐殺した事件の責任を問われ、軍を追われる。しかしなぜか満洲国の顧問だかに転身、満州映画会社(満映)総裁として植民地文化政策の要職に抜擢される。敗戦とともに自殺。
甘粕の名前は映画「ラスト・エンペラー」で坂本龍一が演じたことで人々の記憶に残ることになり、文庫本で読める大杉栄の「日本脱出記」は旅行文学の歴史に地歩を残した。