しばらく前、妻が鬱症状で休職した。
幸い、養うべき子供はいないし、私の収入でも生活維持はどうにかなるので、そこは不幸中の幸い。
ただ、私一人では、妻の症状をどうにかすることはできない。
いつもニコニコ笑って「いいよいいよ」と言い、家事をするので精一杯だ。
維持しかできない。
専門医にかかってはいるが、助言もあまり刺さっていないようで、
鬱症状を緩和したいなら、あれこれと「やったほうがいいこと」はたくさんある。
でも、そもそも本人が『緩和したい』気にならない。
これは他人ではどうにもならない。
そんな時、ティアキンが発売された。
前作のブレワイも楽しく二人で遊んだので、もちろん予約で買った。
でも、今度の崩れ方は「楽しいから睡眠時間を削る」という類のやつだった。
連日、2、3週間ほど寝食を除いて、ずっと遊んでいた。
(アクションが苦手な)妻ができるのは収集と探索だけで、難しいバトルは私が担当した。
素晴らしかった。
周り道をたくさんして(200時間ぐらい)、ついにラスボスを倒す日がきた。
二人で「これでゼルダも終わってしまったか」と感慨にふけりながら、
攻略サイトを解禁して見てみると、我々のゲーム達成率は6割ぐらいだった。
まだまだやることがある。
ラスボスを倒して数日後、妻が「社会復帰したい。手伝って」と言って規則正しい生活を始めた。
どういう心境の変化があったのか分からない。
聞いてないし、聞く気もない。
話せる日がくればいい。
でも、きっとゼルダが彼女に良い効果をもたらしたのだと思ってる。
本当に良かった。
駄々をこねるコログを律儀にウルトラハンドで運ぶ妻を見ながら、二人分のご飯を作れることを幸せに感じている。
作ってくれた方、売ってくれた方、みんなに感謝したい。