2022-11-12

難関大学体験重視型(学力不問型?)入試について

仮に学力による選抜平等で公正なのだとしても、競争である以上は敗者を生む。敗者が自らを敗者に追い込んだ仕組み、つまり学歴社会に不満を持つの自然なことであって、学歴社会は常に低学歴者による不満と反抗の危機に晒されているといっていい。高学歴エリートでいられるのは非エリート低学歴によってエリート承認されるからであり、数の上でも低学歴の方が圧倒的多数を占めるから。この時、学歴社会にとって最も脅威となるのは、財力その他の資源を持つ低学歴たちだろう。彼ら彼女らは学歴社会転覆する動機だけでなく、転覆するのに必要な力(金だったり、コネだったりといった影響力)を持っている。

良家に生まれ、親に愛され、何不自由なく育ってきた若者が、18歳のある日「お前は試験の成績が悪いか大東亜帝国⑨に行け」と言われる。その衝撃は想像に難くない。そこで彼らやその親たちが、学歴社会と言う仕組み自体憎悪し、学力による評価・選別を破壊しようとする可能性がある。

そこで彼らに、慶應fit入試早稲田国際教養AO入試といった形で、金持ちなら学力を問わない選抜を用意し、学歴を与える。低学力である彼らを高学歴包摂することで、彼らの不満を解消する代わりに、学歴社会の勝者としての振る舞いを求め、ひいては学歴社会承認させるのである。こうして、潜在的学歴社会の敵を未然に排除することこそ、体験型入試という名で行われる学力不問型・金持ち優遇入試機能なのではないだろうか。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん