めぐるは、『はこぶものたち』等であの共感性が先天的なものではないかもしれないとなって、Pたちを困惑させてるけど、先天的である可能性が消えたわけではない。
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めぐるの母親は元モデルで、美人でモテてスクールカースト高いけどあんまり深く物事を考えない感じの女性だった。
ある時、モデルの仕事中、急にカメラマンが来れなくなるトラブルがあって、その時たまたま居合わせのが後のめぐるの父親なんだよね。彼は自然の写真を撮ってナショジオに売ったりしてたフリーの写真家で、あまり感情を出さないシャイで職人肌な日本人らしい人物。仕方なく彼に撮影を頼むスタッフたちだけど、最初は人物は撮らないと断られる。それでもと頼み込んで渋々了承されて撮られた写真が、結局めぐるの母親の生涯のベストショットと言われ、色んな賞を獲るほどに評価されることになる。
これをきっかけにめぐる母は彼に興味を持ち、内に秘められた感性とか形而上のものにも意識が向くようになっていく。やがて二人は恋人になり、夫婦になり、産まれた子供は明るい社交性と繊細な共感性を併せ持つ完璧な美少女になったんだよね。
(ここまで幻影)