2022-05-26

高校生三角関数微分を教える必要性があったとしても…

三角関数やその加法定理を教える事や測量などへの応用を教える事まではいいとしておいて…

数IIIや数Cまで学習する高校生には三角関数微分(と積分)まで教えるのが当然という風潮があるがそれでいいのか少し疑問はある

というのも三角関数微分というのは高校生学習するには難しい部分が多分に含まれいるからだ。加法定理より難しい

まず sinx/x=1 (x→0) さえ証明できれば加法定理を使ってsinxの微分が分かり

その後に他の関数微分可能性や微積分が求まるのは事実であるしかしsinx/xの極限については証明が中々難しい

S^1を合同変換群の制限と同型になるような群とみなして実数群R^1からS^1への準同型パラメーター表示として与えられるものやその亜種が

sinx,cosxの幾何的な定義であり高校数学三角関数もこの類に連なる定義採用している。この場合はsinx/xの極限は直ちに求まるものではなく

高校数学範囲証明しようとするとうっかり循環論法になる事がある。証明台無しになるのを避けるのが中々難しいのだ。

一方で代数関数積分として逆三角関数定義してそこから三角関数定義する流儀もあり、高木貞治の解析概論ではこの定義採用している。

この場合微積分はほぼ自明ものとして導かれるが上記幾何的な定義との同値性を示さない事には

三角関数幾何的なお話が全く出来なくなってしま教育として足りなくなってしまう。

このように三角関数はどのように定義しようが微積分が難しいか幾何的な性質との関係を示すのが難しいかの何れかの困難が立ちはだかる物なのである

そこを曖昧なままにして大雑把に教えるやり方もあるが、その場合は当の高校生達に「数学が厳密な学問ってギャグなの?」と笑われても仕方ないものになる。

結局どうすればいいのやら…

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