元は東京で働いていたけど、手術や抗がん剤治療のため地方の実家に戻った。実家のあたりは感染者が0の日もあるくらいで、東京と比べるとかなり平和。
一方で、大阪ではがん患者などの病床がコロナに回されているという話を日々見るようになった。ほんの数ヶ月前だったら他人事だと思っていたであろうことが、今はリアルに自分の死という形で感じられて、怖くてこれを書いている。
がんが見つかった時は東京で治療を受けるか迷ったけれど、幸運にも実家から通える範囲に専門医がいたため転院することにした。それでもコロナ感染対策のため、地元に戻ってから2週間は病院に入れてもらえなかったし、がんはその間にも進行した。非常に進行が早いタイプのがんで、このコロナ禊の間にも憎悪していた。
主治医は最初の診察でそれがわかったようで、すぐに検査と手術の日程を無理やり気味に調整してもらって、転院先の初診から10日で手術した。腹を開けてみればステージⅢ、腹膜播種にリンパ節転移。めちゃくちゃになってた。
延期できるような不急の手術なんてない、と思う。すぐに命に関わるとは言えなくても、がんは着実に進行する。手術だけでなく、自分が経験している術後3ヶ月半に渡る抗がん剤治療も、きちんとスケジュール通りに進めなければ予後が悪くなるものだった。すべての治療を最速で駆け抜けて、なんとか今こうして増田に書けるくらいの体調を取り戻している。
でも、もし病気の発見が今だったら、大阪に暮らしていたら、頼れる実家がなければ、通える範囲に専門医がいなければ。自分は死んでいたかもしれない。
当たり前だけどまだ死にたくないよ。実家で暮らしながら、親より先に死ぬなんて、とてもじゃないけどそんな酷いことはできないと思った。それなのに、どこで暮らしているか、いつ病気が見つかったか、それだけの差で同じ境遇の人が死んでいく。
今起きている、あるいはこれから起きる医療崩壊というのは、コロナ患者の影で、自分のような人が静かに死んでいるということなのだと思う。
ワシらのせいや、っちゅうんやな
維新や自民に投票していたならある意味自業自得だが、そうでないならめっちゃ気の毒。せめて犬死にせずにあちこちで声を挙げて、当事者の声を伝えて欲しい。俺も微力ながら拡散に...