スーパーや飲食店などで値引きを利用するかどうかが自分の側に委ねられている状況がある。具体的には、賞味期限等の違いで同じ商品に対して値引きの有無が店頭で混在している場合、客がクーポンなどを利用した場合だけ売価が変わる場合の二つの状況である。「値引きを使わず買う方が店は喜ぶだろう」と思いがちだが、必ずしもそうではない。
この場合、値引きを利用して買う方が、店は喜んでくれる。値引きが適用される商品は、時間の経過によって価値が落ちているのであり、いま売れなければ、さらに大きく値引きをしなければならない。食品などは売れなければ価値がゼロになり廃棄になってしまう。値引き商品を買ってくれる客は、店にとって明らかにありがたい存在だ。
この場合は微妙だが、チェーン店やメーカーからの商品を販売する小売の場合は特に問題にならないか喜ばれることが多いと思う。クーポンなどの値引きは、メーカーや本社が値引き分を負担する場合が通常であり、値引きの適用によって店舗が損をするということにはならない。また、チェーン店ではクーポンの利用数の目標が店舗ごとに設定されていたりもするので、その場合はクーポンを使ってくれる方が店にとっては嬉しい。クーポンのレジや会計処理が面倒くさい、というのはあるにせよ。
一方で、個人営業の飲食店や美容院などでは、クーポン利用は嫌がられることが多いだろう。値引きを負担するのは店舗自身であるため、値引きが増えれば増えるほど店舗は損をすることになる。
客としては意識しないかもしれないが、クレジットカードや電子マネーによる支払いも、利用に対して手数料が生じ、それはたとえチェーン店であっても個々の店が負担する形となる。つまり店舗の損になる。以上まとめると、現金支払いで、値引きされてる弁当とかを買うのが、一番いい客である。