私はある中小企業で営業をしている。いつしかサボることが最も正しいと気づき、それを愚直に実行するようになった。そうなった経緯と理由を書いていきたい。
まず前提として、私のいる会社は金払いが良くない。給料も低い。どれくらいなのかは想像にお任せする。そして残業代も「残業させてくださいシート」みたいなやつに書かない分はサビ残だ。退勤時間ギリギリに急ぎの案件が来てもシートを出さなければ無賃労働。
それでも多少の残業代はゲットしていたのだが、ある日社長からお触れが出た。端的に言えば「残業をするな」だと。経営者的にはそれは正しい思考かもしれないが、労働者としてはたまったもんじゃない。
私は営業職である。要するに客から案件を取ってくるのが仕事である。案件を取ってくれば、その分仕事量は増える。仕事量が増えると残業の可能性が高まる。
そして賃金は年功序列型である。「成果を出せば給料を増やすから頑張れ」と言われたことはあるが、辞めていった先輩達いわく「真っ赤なウソ」らしい。誠意は言葉ではなく金額とはよく言ったものだ。
さて、考えてみてほしい。頑張れば頑張るほど無賃労働が増え、成果を出しても賃金は変わらない。これでは頑張るほうが馬鹿というものだろう。なので私はサボることにした。
コロナ禍とはいえ、営業職ゆえに客に会うことはある。外回りが普通にある。私はその時間の大部分をサボることにした。ツイッターをみたり、アプリの麻雀をしたり、ニートのふりをして掲示板に書き込んだりして1日を過ごす。流石に1件くらいは客のところに行く。最低限の既成事実は大事だ。
そんなわけで今日も私はサボった。会社が潰れたら身の振りを考えよう。まだ困ってはいないので何も問題はない。これが合理的な働き方というものであろう。