「オマージュ」「リバイバル」「パクリ」「トレス」「リスペクト」
90年代に生まれた私たちは、まだ物心ついていない頃の世の中に溢れていた物を上記の言葉で説明の上商品化している。
私たちが形成していた文化は、おそらく90年代のバブルが崩壊した後とは言え市民にはその影響はまだ無かった頃の、あるいは見てみぬふりをしていた頃の、それらを墓から叩き起こして陳列することに似ている。
ヴェイパーウェイブ。
それらを何食わぬ顔でコピー&ペーストし商売にしている。メンタリティとしては、やはり私たちの世代でよく怒られていた「レポートをWikipediaからコピペするな」と変わらない。
90年代に生まれた私たちが得た唯一の才能は「何食わぬ顔」だと思う。「インターネット」と「現実世界」が明確に分かれていた頃にあった、「現実世界では冴えないけど、ネットでは結構チヤホヤされてるんですよ」と何食わぬ顔で図書館で勉強していた、あの時の顔。
話は少し戻るけれど、そろそろ2000年代生まれの子達の足音が聞こえてくる。墓掘人が見つけてきた素材を組み合わせ、ぶっ壊し、ぶっ壊した破片をかき集めて何かを作るんだろうか。それすら放棄して「あの頃っていいよね」とそのまま昔の曲をカバーするんだろうか。それとも育ち良く、出典を明記したトレスイラストを売るんだろうか
もう音楽とファッションは、新しさを売り出すのは無理
それらから逃れるにはインターネットから離れるしかない。