2020-05-12

差別を生み出すのは誰か

オタク的な文化に触れていると、時折聞こえてくる「男女の恋愛のことを"NL"と呼ぶのはやめろ」という主義主張。言っていることは分かる。

男性同士の恋愛BLボーイズラブ)」、女性同士の恋愛GLガールズラブ)」に対して、男女間の恋愛が「NL」と呼ばれること。

その「N」に「ノーマル」という由来があるであろうということに疑問を覚えるのは理解ができる。(近年では、その主義主張を受けて他の意味を込めて使われていることも多いが割愛する)

しかし、その言葉狩りに何の意味があるのだろうと思ってしまう。

そもそも私は「障害者」ではなく「障がい者」を使おうという主義主張に対しても不思議に思っていた。

近年、スマホの変換にも「障害者」とならんで「障がい者」が出てくる世の中になった。

それは主張をしている人たちが多くの人に広め、共感をよんだ結果なのだろうと思う。

でも、その「害」に良くない意味を込めて人は使っていたのだろうか。

大半の人は差別的意味も悪意もその「害」に込めてはいなかっただろうし、それを漢字にするか平仮名にするかで言葉の持つ意味意図も変わらない。悪意を込める人は、それが平仮名であっても悪意を込めるのだ。

その上で人は「障害者」という言葉を用いていたはずが、主張が広まるにつれ「障がい者」と表記をしないと配慮の欠けた人間かのように思われる世になった。全くその「害」に対して意図は込められていないのに。

NL」の表記も同じだ。

そこに差別も悪意もなく、語源文字に対して込められた意味がそのまま残っているわけでは無い。そもそもその言葉自体も、差別的意味合いを込められ生み出されたものでもない。記号として残っているだけに過ぎないのだ。

言葉差別意味を持たせるのはいったい誰なのだろうと時々思う。

次々と言葉差別の要素を持たせて、果たしてその先に何があるのだろう。

いつか、「"嫁"という漢字は"女は家にいるべき"という考えが込められているようで多様性に欠けるし、女性は働くべきでないという差別的な考えが込められているのだから使うべきでない」などと言う人も現れるのかなと思ったりした。

単語はともかく、漢字の成り立ちや組み合わせまで辿ると結構ショッキングな成り立ちや、現代の考え方にはそぐわないものも多いと思うが、その辺りはどうなのだろう……。

私は言葉狩りをすることで、その言葉に大半の人が意図しない意味合いを持たせるべきでは無いと考えるし、言い換えられる言葉は何でも言い換えるべきだとは思わない。

その言葉を使わないようにしている人の配慮もご立派だし、考えも勿論理解はできるが、やっぱり納得はできない。

何も考えていない配慮の欠けた人間だと思われるのは心外だが、それでも私は何も無いところに悪意を作って演出するようなことはしたくないなと思ってしまう。

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