2020-01-30

武漢発の新型肺炎に関する雑感

中国から団体旅行制限が発表される直前、都心ホテルアジア系の一行がN95マスクを着けて荷物を運び入れるのを見かけた。武漢から避難してきた家族かもしれないと思った。

武漢からやってきた人たちには、東京地下鉄に乗ってきてほしくない。ショッピングモール商店街にも来てほしくない。感染が怖い。

からといって、そんな思いを口に出したり、行動に表しては、たんなる人種差別とどこが違うのだろうか。

武漢からやってきた中国人も、上海人も、香港人も、台湾人も、私には見分けがつかない。

かりに武漢からやってきた人たちが東京でひっそりと避難生活を送っていたとしても、彼らは自分たちコントロールできない要因によって、もう十分に恐怖を味わい、苦しんだはずだ。差別されるいわれなど毛頭ない。

検診は受けてほしいし、症状が出た場合自発的医療機関受診してほしいと思うが、「あなた武漢から来たのですか。ところで検疫はお済みですか?」と尋ねるのは、差別とどこが違うのだろうか。

ウイルスが引き起こす感染症の実態がまだよくわかっていないために、感染者や感染地域出身者にたいして、魔女狩り的な恐怖と攻撃心が自分のうちにもあるなと思う。

いま武漢で起こっていることは、これから世界中のどこでも、日本でも起こりうるのではないか

これだけ国境を越えた人の往来が日常的になった時代には、逃げ場はないという前提で物を考えた方がよいのではないか

肺炎うつるから中国人は日本に来るな!」と思っている人は、東京発、大阪発の新型肺炎が発生した際に、差別されることを受け入れられるだろうか。

明日は我が身、もはや逃げ場はないという前提で、最悪の事態を想定して、感染しないようにするにはどうすればよいか、もし感染発症した場合は、どこに助けを求めればよいか、という知識を持っておく方がましではないだろうか。

異論は認める

大変な目に合っている人たちに一刻も早く支援が行き渡ること、知るべき正確な知識がしっかり得られることを願うばかりだ。

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