中学入学時、親が近所の卒業生にもらってきた他人のお下がりのアルトリコーダーを使わされていた。
全くサイズの合っていないぶかぶかのジャケット、引きずるように長いスカートを腰のところで折り返して三年を過ごした。
私服は親がもらってきた近所の既婚女性が若い頃に着ていた洋服。
お小遣いは月に1000円。同級生には「それでなに買うの?」と馬鹿にされた。
当時は、うちは貧乏だから仕方ない、我慢しなくちゃいけない、と思っていた。
親にもなにも言えなかった。
実際は、うちは年収2000万越えの比較的裕福な家庭。(大人になって源泉徴収を見て気がついた)
決して、買えなかったわけではないと思う。
母は節約好き、というよりもケチで。電気や水道など大した意味もないのに執拗に消して回るタイプ。
わたしの平穏な学校生活よりも自己満足のための節約が大事だったか?
時々思い出して、「リコーダー」「他人のお下がり」とかで、検索してしまう。
兄弟間のお下がりで悩んでる人はいても、さすがに他人の唾液のついたリコーダーを我が子に使わせようとしている親は見かけない。
そんなにあり得ないことなのかと、今更傷つく。
そう思っても、大人になって反芻した時に傷ついたり、怒りがこみ上げることもある。
リコーダーは流石にひどい