バトル系マンガで千兆回も繰り返されている「えっ?」は、ダサいので今すぐやめてほしい。
「えっ?」を詳しく説明すると、
「雑魚っぽい敵が、目にも留まらぬ速さの攻撃(露悪的な残酷描写であることが多い)を喰らって、自分の欠損した部位を見つめながら呆けたような顔をして、
『えっ?』
しかし「いきなり残酷なことが行われる」状況を演出する術が、呆け顔と「えっ?」の台詞しかないのが駄目なのだ。
何故もっと工夫しないのか。
そこに労力を遣いたくはないが、なんとなく残酷っぽいことをやって格好はつけたいという姿勢が、ダサい。
陳腐化した表現なのに、それを使い続けられる無神経さがダサい。
しかも割りと大ゴマのことが多く、作者本人は見せ場のつもりらしいのが情けない、恥ずかしい。
例えば、マンガ好きから崇められている荒木飛呂彦は「ジョジョ立ち」「特殊な擬音」「人間賛歌」などで持て囃されているが、こういう「えっ?」のようなシーンでも、得意の「ドドドド」効果音を使って自分の作風に取り込んだ上で使ったり、ギャグっぽくしてみたりと、工夫を欠かさない。
似たようなシチュエーションでは(雑魚キャラじゃないけど)、2部で敵に勝利したと思ったジョゼフが不意打ちで腕を失う場面があるが、緊張感のみなぎる無音コマでその衝撃を描いていた。
こういう基礎力こそを評価し、見習うべきではないのか。
他の漫画家も似たようなシーンを描くことがあるが、有名なバトル作家の場合は、キャラの後ろの背景を描いた上で「状況としての緊張感」込みで演出するなど、みなそれぞれに工夫している。
逆に言うと、この程度の工夫でいいのだ。
それすらできない奴が、なに漫画家なんか名乗ってんだという話である。
おまえらは漫画家ではなく能無しふにゃちんダサダサ包茎マンだこのボケが、ということである。
繰り返しになるが、すでに陳腐化した「えっ?」という表現で済ますのは、一表現者として非常にダサいことであり、見るたびにゲンナリするので、即刻やめてほしい。