僕はこの『ヴァリアブルオリジナル』を読んで、正義とは何か、愛や平和とは何かを学びました。
まず序章では主人公ヴェノラの、現世での日常生活が丁寧に描かれます。
そんな疑問も長くは続かず、主人公は5ページ目あたりで幼馴染をかばって大型の貨物自動車に轢かれます。
そして、どっかの神様が彼の決死の行動に感動し、異世界で新たに生きるチャンスを与えて序章は終わります。
異世界での冒険を早く読みたかった僕は、最初この話を余計だと感じていました。
異世界行くんだから現世の話を長くやる必要はないんじゃないかと思ったのです。
だけど後になって、この序章は主人公の人格を早めに読者に印象付けつつ、彼が異世界へ行くことに説得力を持たせるためのものだと気づきました。
おかげで僕は自然とヴェノラのキャラクターに魅了され、彼が異世界で冒険することに何も疑問を持たなくて済んだのです。
続く第一章では、主人公を通じて異世界がどのようなシステムかが描かれました。
異世界は彼が元いた世界とは違う世界であり、勿論そこで生きる人々や動物も似て非なるものです。
ロールプレイングゲームのような魔法やスキルもあって、まさに異世界なんだと伝わってきます。
そんな世界の違いに戸惑うヴェノラの姿にはとてもリアリティがあり、僕は「外国にホームステイしたらこんな感じなんだろうな」と思いました。
だけど、生きていくためにヴェノラは試行錯誤してシステムを学んでいきます。
僕は読んでいて最初は「うわー、勉強イヤだなあ」と思いましたが、ゲームのような世界観のおかげで分かりやすくて、スラスラ読むことができました。
ヴェノラが魔法やスキルを理解するのと同じスピードで、読者である僕も世界観を感じていくので、何だか二人三脚で走っているような気分でした。
僕はこの第一章で、自ら進んで何かを学ぼうとする姿勢の大切さを知りました。
≪ 前 彼の正義感は異世界でも発揮され、凶暴なモンスターや悪い人間を倒して人々に慕われます。 例えば第二章では海賊が山から下りてきて、近くの村を荒らしまくります。 海賊た...
≪ 前 第四章でヴェノラにピンチがやってきます。 敵がすごく長い槍を振り回すので、手も足も出せなかったのです。 この時に彼はとても悔しがりますが、それは攻撃が届かないから...