彼の正義感は異世界でも発揮され、凶暴なモンスターや悪い人間を倒して人々に慕われます。
例えば第二章では海賊が山から下りてきて、近くの村を荒らしまくります。
海賊たちは口が悪いし、暴力もふるうし、悪い事をするためだけに生まれてきたようなキャラです。
そんな奴に対してヴェノラは決めゼリフを言います。
「俺がこらしめてやる。溜飲を下げさせてもらう」
そして「俺には正当な理由があります」と付け加えて悪党をあっという間に倒します。
このセリフがすごいのは、彼の正義感をこれ以上なく表現している点にあると思います。
悪を見過ごせない心だけではなく、戦う理由も考えている。
しかも「こらしめてやる」と言うように、やりすぎるつもりもありません。
敵は悪者だから、ちょっと位やりすぎてもいいと思うのですが、そこに正義はないからヴェノラはやらないんです。
第三章では、正義と力を持つ人間がどう振る舞うべきかが描かれました。
村の人々は宴を開き、ヴェノラの今までやってきた行いを評価して、彼の性格や能力を褒め称えます。
自分自身を客観的に評価しているので、周りにもそうしてもらえるよう望んでいるからです。
僕は、これは現実にも言えることだなあと思いました。
必要以上に評価されて期待されることも嫌ですが、だからといって評価されないことも嫌です。
そのためには自分が自分のことをどう思っているか考え、他人にもそう見てもらえるよう頑張ればいい。
だけどヴェノラは自分の力をひけらかして、その評価を得ようとはしません。
二章で描かれた彼の正義感は三章になっても変わっていないんだなあ、と感心しました。
僕は正義のあり方を学ぶと同時に、村の人たちと一緒にヴェノラを褒め称えたい気持ちになりました。
僕はこの『ヴァリアブルオリジナル』を読んで、正義とは何か、愛や平和とは何かを学びました。 まず序章では主人公ヴェノラの、現世での日常生活が丁寧に描かれます。 僕はこれを...
≪ 前 第四章でヴェノラにピンチがやってきます。 敵がすごく長い槍を振り回すので、手も足も出せなかったのです。 この時に彼はとても悔しがりますが、それは攻撃が届かないから...