大学を卒業してから3年間、イギリスとアメリカで暮らした。自分は若い男性で、体格もよく、また生活していたのが都市部だったので、露骨な差別は受けたことはないのだが、それでも思い出すたびに何かしらモヤモヤする経験が、あった。
◾︎妙に話しかけられる
これはイギリスで主に経験したのだが、あんまり知らない人同士が声を交わさないような状況、例えばそれなりに人が乗って座れない人もいるような地下鉄内とかで、おっさんやおばさんから妙に話しかけられることがあった。どこから来たのか、とか、日本の町はどこそこに行ったことがある、とかそんなことを言われた。最初の頃は私も嬉しくてその手の人と話していたのだが、そのうち、一部の人間にはこちらを見下して話しかけている独特の雰囲気を感じるようになって嫌だった。
◾︎融通が効かない
何かしらの基準を盾にしてこちらのリクエストを無下に拒絶したり、無駄な手続きを要求する。アメリカの大学町での経験だが、文房具屋でカードを使う際にサインしたのだが、サインがカードの裏面記載のものと違うと言ってサインを何回も書かされたことがある。ちなみにサインは漢字で、店員は漢字は読めなさそうな奴だった。バスに乗る際にヘッドフォンをしていたら外せと言われたことがある。
こういう類のことって、人に話しても気のせいに思われたりだとか、あるいは自分側に完全に落ち度と言えるものが無いわけでも無いのだが、その場にいると相手の口調や目線から感じる蔑みの感情を感じるので、なんというか心を少しづつ削られる。