「昔はね、教師が生徒をなぐてよかったからもっとうまく躾けられたんだよ」
「そうそう。生徒の方も殴られたくないから、せめて人目がある所では悪いことはしないようにしていた」
「最近は怒鳴るだけでもやれパワハラだって言われてモンペが出てくるから何も出来ない」
「どんなに脅してもゲンコツは絶対飛んでこないと思ってるから今の子供は増長してる」
「教師だけが一方的に生徒を殴れるっていう特権はやっぱり必要だったと思うんだよね」
こういう会話が月イチぐらいで耳に入ってくるんですよ。
そういうの聞くと自分たちの世代はちゃんと頑張ろうと思う半面、こんなパワハラ大好きのクソ野郎達を先輩として崇めて仕事教えてもらわないと生きてけない自分たちはなんなんだろうと考えてしまう。
こんな連中に言われるがままにお酌したり飲み会で一発芸を披露している自分たちは強者に媚びを売るだけのクズなんだろうなと。
逃げ出したい。
こんな仕事辞めて逃げ出したい。
でも逃げ出した後に自分に何かが残っているんだろうと考えると怖くて仕事をやめられない。
そもそも、日本中がそういう風潮であった時代がかつて存在していたという時点で、どこか別の会社や職業に就いたからといってこういう人間から逃れられるわけじゃないんだなと薄々分かってしまう。
どうすればいんだろう。
恐ろしいのは、そういう人たちの話を聞いて目を輝かせて「やっぱり教育には厳しいしつけや理不尽が必要なんですよ!私もパワハラと言われない範囲で積極的にやるようにしてます」とか口にする20代や30代の人までいるの。
上の世代の人間が毒されているってだけじゃなくて、下の世代にもそういうパワハラ必要悪認定者が一定数いるんだよ。
若い人間だけの社会に行けばこの問題は解決するってわけじゃない。
どうすればいいんだろうね。