2018-06-05

実の両親は、他人になってしまった

両親を嫌いになったのは、いつからだろう。小さいころは、父も母も大好きだった。いつも同じ布団で寝ようと甘えていた。でも、思春期を迎えるころから、いつしか「苦手」になり、それが「嫌い」という感情に変わっていった。

そう、母は気に食わないことがあるとヒステリーを起こすし、父はリストラされ収入が激減し、幽霊のように存在しない人間として扱われるような家庭だったが、まあ、虐待暴力のあるような家と比べたらかわいいものだ。

ただ私は家の中が息苦しくてたまらず、自分を救ってくれるのは家の外、尊敬できる友人や先輩から学ぶことにあると信じた。

長じて今は、年齢や性別職業など様々な立場の人と接する業種に就いている。

彼らから学ぶことで、私も真人間とまでは言わずとも、少しはマトモになれたかな、と思えるようにはなった。

未だに用がなければなるべく実家を避けているのだが、たまに両親に会うと、「今の」私の感覚からは、理解できないような言動ばかりで、辛くなる。

役所の窓口や飲食店で本当にどうでもいいことに腹を立てたり、絶対こちらが仕事をしているような時間帯に電話をしつこくかけてきたり…

なにより、とにかく自分が間違ったことをしたと認めることがない。普段、私が「こんな大人にはなりたくないなあ」と思う人間、そのものなのだ

私がまだ子どもで、実家で暮らすしかなかった頃は、どんなに嫌いでも身近な存在だった両親。だけど、そこから離れた今、彼らはどうしようもなく「他人」だ。

そして両親は、内面は変わらずとも、歳だけはとった。あと10年、20年…いつまで生きるのかは分からないが、私はその時をどんな気持ちで迎えれば良いのか…それだけが気がかりで、なんだか考えだすとたまらなくなるのである

  • 全く同じではないにしろ、似た境遇にいます。 自立した立派な方だなという印象を受けました。 その時が来たら、事務的にもろもろの手続きをする。でいいと思います。 両親であって...

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