2018-05-15

日見た夢の話

道場のような、体育館のような広い場所

俺はそこに一人でいた。

奥の部屋から物音がして視線を向けると泥棒ものを盗み出したところだった。

とっさにその泥棒に走りより掴んで床に倒す。

当然泥棒は俺から逃げようと必死に暴れる、俺はそれを全身で抱きつくように拘束し一緒に床に倒れる。

とにかく捕まえるには拘束用のロープがほしい、警察も呼ばないと、とにかく助けがいる。

俺は大声で人を呼んだ。

「誰か来てくれー!誰かいいかー!」

しかし中々人が来ない、とにかく叫び続けた。

そうすると親戚の若い連中が何人か来てくれた。

「どうしたの?」とかのんびり聞いてくる。

泥棒だ!捕まえたいからなんか紐持ってきてくれ!あと警察呼んで!」

必死で訴えるも、何か上の空というかまともに取り合ってくれない。

興味なさげな感じだ。

飽きたように去っていくやつもいる。

でも紐を持ってきてくれたやつもいた、靴紐や植物のツルなどあまりにも頼りないが、無いよりましだ。

「よし、抑えてる間こいつの手を縛ってくれ!」

そう訴えたが

「えー・・・縛り方わかんない」

と言ってどこかに行ってしまう。

縛り方わかんないってなんだよ!縛り方とかどうでもいいんだよこいつ拘束できればそれでいいんだよ!

靴紐くらい結んだことあるだろ!とイライラしながらも必死泥棒にしがみつく。

次に弟が来てくれた。

何か上の空でぬぼーっとした感じだった親戚たちに対して、弟はハキハキしていた。

「なになにどうしたの」

「こいつ縛るの手伝ってくれ!」

「手しばればいいの?こう?」

弟は泥棒の片手を縛り上げてくれた。

(片手を縛り上げるってなんだよ、普通両手合わせて拘束するんじゃないか

と思うだろうが、夢の話だ。夢の中ではそうだった)

泥棒の片手が拘束されたことで、俺の片手もある程度自由になる。

さすが弟だ頼りになる。でもそこまでだった。

「じゃ俺忙しいからあと頑張って、道具は置いておくから

ダンボールドライバーセット、プラスチックの板など謎のアイテムが周りに置かれ、弟は消えた。

片手でなんとかそれらの道具を駆使して泥棒を拘束できないか頑張ったが、

泥棒は力の限り暴れるのでそれを押さえつけるので精一杯だ。

年上のイトコが現れた。

手にカメラを持っていた。笑いながら話しかけてきた。

「なになに、大変なんだって?」

そういって俺を撮影し始める。

パシャシャシャシャシャシャと連写の音も聞こえる。

最初は不機嫌な顔をしていた俺だが、あまり行為に悲しくなり泣き出した。

イトコは笑いながら楽しそうに去っていった。

なんで誰も助けてくれないんだ。

俺がこんなに必死なのに。

悲しさ、情けなさに押しつぶされそうになった次の瞬間、

頼りにならなかった親戚の若い連中や初めて現れる親戚の大人たちがゾロゾロと現れた。

そしてなぜか一緒にケンドーコバヤシも来た。

一瞬の静寂のあと、堰を切ったようにケンコバが親戚たちを怒り始めた。

「お前ら何や!こいつが一人でこんなに頑張ってんのに!」

まくしたてるように言葉が続く。

「なんで誰も助けてやらないんだ!」

「どういう状況か見ればわかるやろ!」

その声にようやく動かされるように、親戚の大人たちが泥棒の拘束を手伝ってくれた。

ケンコバはやさしく俺に声をかける。

「大変だったな、もう大丈夫から

テレビで見慣れた小太りのヒゲ面だったが、慈しむような微笑みを湛えていた。

泥棒を押さえつける為にずっと強張っていた全身の筋肉からフッと力が抜ける。

目が覚めた。

そこは俺に強く抱きしめられグタグタになった布団と、涙で濡れた枕があった。

ケンコバ、優しかったなぁ・・・

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