表紙はとにかく雑で、新人が書いているのがまるわかりのダサい漫画、というのが最初の印象。
だけど違った。
思えば、最初の超大型巨人の登場から引きこまれていた。その登場が半歩でもずれていたらこの作品は台無しになっていたと思う。
超大型巨人の役割が、単に壁を壊すだけの存在だったから良かった。鎧の巨人がシガンシナ区のウォールマリアを壊すだけの存在だったから成立していた。
巨人は人を捕食する恐ろしい存在というだけでは恐怖足り得ない。1巻は、巨人は日常を壊す存在でありそれは隣人や訪問者の中に潜んでいるのだと暗示していた。あの1巻には進撃の巨人の面白さが全て詰まっている。
未知の生物に突如侵略される世界なんて、そんな陳腐な物語なんて、この世にはゴマンとある。
だけど殆どはゾンビや兵器と戦うだけの平凡な話か、人同士の争いにシフトしてゾンビや兵器を単なる舞台装置としか見なくなっている。
進撃が違うのは、人同士の争いであっても巨人が必ず恐怖の隣人として存在することだ。
簡単に倒せるものではない。壁内人類は負け続けている。巨人をアウェーにおかず、単なる攻略の対象としてもおかず、インフレも起こさない。奇跡もない。
身内同士の内輪もめが世界を変えるわけでもない。常に巨人に対抗する人類という枠組みの中で話が進んでいる。
なんで進撃をこんなに好きなんだろう。