2017-08-30

過去の同級と再会した話

過去の同級と旧交を温めたいのか。

高校の頃の思い出話に花を咲かせたいのか。

悪いけど俺はゴメンだ。

俺の過去にオマエはいないんだ。

中学高校大学

俺が青春の痛みだの切なさだのをもって

かろうじて振り返れる思い出といえば

一人で何かしていたことばかりだ。

例えば文化祭の時、たった一人、

図書館かどこかでやってた百円市で

SF小説だのサブカル本だの買いこんでさ、

使われず封鎖されてた教室に入り込み

日が暮れるまで一人で楽しんだこととかさ。

修学旅行東京

「ここからはみんな単独行動しようぜ!」と

一方的に切り出してわけわかんねえグループを抜け、

東京タワー秋葉原を一人ウキウキうろつき回ったこととかさ。

下校のバスで一人、

テクノ聞いて秋の夕暮れがすげえ綺麗だと思ったこととかさ。

それで、そういうので、すげえ楽しかったんだよ。

でもマジでずっと一人だと浮くからさ、

オマエやオマエ達と友達風の付き合いはしていた。

あん時の結びつきは

俺にとってホントそういうものしかなかったんだよ。

から、俺にとっての『青春』は常にひとりきりで

振り返る時オマエはいない。

ヒドいこと言ってんのはわかるよ。

大学終わって約8年後、これ書いてる今から約4年前、

同じ会社、違う立場高校の同級と再開した。

オマエすげえ喜んでたな。俺には何の感動もなかったのに。

オマエは俺を飲みに誘った。

俺も社会人としての社交性みたいなもの

そこはかとなく育っていたから、

誘いを受け、高校時代の話に花を咲かせた……オマエは。

でも、正直な話、

オマエが出した名前たち、高校の頃の同級たち、

俺はほとんど名前も顔も思い出せなかったし

何かしらの感情が刺激されることも、

ホント、無かったんだ。

話は合わせたよ。そりゃ社会人からさ。

口八丁のお仕事をやってきたからさ。

ヒドいのは俺だ。わかってんだけど、

でもどうしようも無いだろう。無いんだから

小学校以降、俺の人生が上向いてきたのは

大学卒業してからで、そういう意味では右肩上がりだ。

10代、誰かとともに振り返るような記憶特にないし、

別にそれで損したとか、そういう気持ちもなく

あの頃俺は一人で勝手に満ち足りてた。

あれはあれで楽しかったんだ。

こんなことを書くというのは先日、

件の同級とまた再開したからだった。

俺は急いでたから、社交辞令ウソを駆使して

場を切り上げたが、オマエは「また飲みに行こう」と言ったな。

オマエが俺をどう思ってんだか知らないけど、

俺はホント、こういう奴なんだよ。

そこは申し訳なく思う。

からと言って飲みに行ったりはしないんだけど。

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