最近、とあるWeb漫画がきっかけで「発達性ディスレクシア」という困難さを抱えている人たちが居ると知った。
知的発達には問題がなく、日常会話も普通にこなす一方で、文字の読み書きが極端に苦手だという症状。
日本語話者では人口の8%程度存在するが、このような困難さの存在に周囲が気付きづらいため、学校等で
必要なサポートを受けられない場合が多いというのが重大な問題であるらしい。
この話に触れて思い当たったことは、私は文字で書かれた情報の認知に問題は無いが、
例えば、初対面の人と挨拶をするとき、相手が名乗った次の瞬間には既に名前を忘れてしまっていたりする。
一方で、名刺を渡して貰えると、名前を覚えるのはずっと容易い。
仕事をしていて特に困るのは電話だ。口頭だけで用件を伝えられても、切った後にすぐ、何の話だったかが曖昧になってきて、非常に不安な気持ちになる。
直接会って対面で話をするときは、幾分、状況が改善するから、おそらく相手の仕草や表情から何らかの付加情報を得ているのだと思う。
食事をしながら会話して、お互いのことを知っていくというのが、出会って間もない間柄での
標準的なデートだと思うが、私にとっては、何かを食べながら相手の話を聞くというのがそれほど簡単ではない。
そのため、私だけ食事が遅々として進まないか、あるいは、ただ黙々とご飯を食べることになってしまう。
折角デートに来てもらっても、これではなかなか楽しんでもらえない。
ところが、女神のような慈悲深い方も時にはおられるようで、会話しながらでは食事が中々進まない私に対して、
「すごくちゃんとお話を聞いてくれますね」とにこにこ笑ってくれたり、それから何度かデートをした後、
私が実は電話が苦手で飲食店の予約をするのにもかなり戸惑ってしまうということを打ち明けると、
「それくらい私がやるからいいよ」「苦手なことを無理してやらなくても大丈夫」と、
なんでもないことのように笑いながら言ってくれた女性が居て、その人が今では妻です。
なんだ、ノロケか。