2017-05-10

男に産まれたかったと思った、産後10日目

出産をした。
私の大きなお腹には、本当に赤ちゃんが入っていた。
何度も早く会いたいねと話しかけた胎児は、外に出て私と違う人間になった。

出産後は、ホルモンバランスジェットコースターのように崩れるらしい。
知識としては有名なことだし、産後うつがそれによって引き起こされることも知っていた。
から、今この文章を書きながら涙が止まらないことも、
今後の生活が恐ろしくて逃げ出したいのも、
母と喧嘩して全身が震えるほど泣き叫んだのも、
全部ホルモンバランスのせいだとわかっている。

わかっていても、涙は止まらないし、不安は消えない。

客観的に見ても、主観的にみても、私はとても恵まれた状況にいる。
夫は優しくて協力的だし、母は家事を全力でサポートしてくれている。
なのに、私は男に産まれたかったと、出産可愛い我が子を前にして思ってしまうのだ。

今までの人生で、自分性別についてハンデを感じたことはあまりなかった。
妊娠中にボロボロになっても、産休に入り仕事が出来なくなっても、夫や会社暖かいサポートのおかげで現状を受け入れながら出産を迎えることができた。

なのに、仕事に向かう夫が今になって羨ましくて仕方がない。
私も、子供ができたかもっと仕事を頑張りますと、そういうことが言いたかった。
今まで積み重ねてきたものの延長線上で努力を重ねたかった。

男に産まれれば、こんな思いをしなくても、自分の子供に会うことができたんだろうか。
そんなことばかり考えてしまう。
である喜びを感じられる日がいつか来ると、今はそれに縋るしかない。

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