2016-08-26

仕事人間の母が専業主婦を選んだ理由にひれ伏す

母は仕事大好き人間で、許されるならずっと働いちゃうタイプの人だった。らしい。

でも母が外で働いている姿を見たことはない。

私を産んでから30年、ずっと母は専業主婦である

子どもを産んだことによって

母は大好きな仕事を、あきらめたのだと思っていた。

そして、そのことにむかついていた。

んなこと頼んでない。

やっぱり仕事好きに育った私は今、当時の母と同じ29歳で、

しかし母のような選択絶対にできない。

それが後ろめたくて、母の「自己犠牲」にむかついていた。

先週、母とめずらしく二人きりになったとき

酒が入ってたせいかセンチな気分になって

これまで絶対聞かないようにしていたのに、

「お母さんは仕事続けたかったんだよね」「ごめんね」と、

愚かな言葉をなぜか口にしてしまった。やばいと思ったけど、覆水盆に返らず

母はちょっと黙ってから、優しく語り出した。


「いや…めちゃ斜陽産業だったから、このまま働き続けても先が知れてたし

29でキャリアチェンジ結構きついんだよねー。

使用ソフトみんな総とっかえされちゃって(技術職だった)

から覚えても、最初から覚えてる世代にはなかなか勝てない。

まあ企業としてもイチから教えるなら20代前半とるよね(笑)

当時、多くの女の人はそうだったかもしんないけど

仕事で何かを残せるかで勝負するルートにおける勝算が、正直なかった。

で、たいして実績も残せず人生後半に差し掛かったとき

あれ?自分人生ってなんだったんだろーとか思っちゃうよねえ。

それはやっぱりリスク高すぎだろーと思って。

で、人生でまっとうする仕事として投資効率が高いのは何かって考えて

選べる選択肢の中から出産育児を選んだわけで、

だいじょぶ何もあきらめてない。

やりがいリスクヘッジとしては結構オススメだよ!」


おかあさん、まじかよ。

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