この際だから、三宅洋平が25万票も獲得したのは珍事件であるとはっきり申し上げておきたい。
はてなのブクマ界隈で言われる陰謀論とか数え役満とかはひとまず脇に置いといて、まずは彼が投票行動を地道に喚起したことは評価するべき点のひとつである。だから今回、初めて選挙で投票し、しかも彼に投票した有権者については何も言うまい。
そのうえで、愛でもって世界とユナイトしようぜヤーマン、といったポエムのような演説に聞き惚れた人が、SNSで愛の告白を垂れ流し、SNS上のノイズとなり果ててしまっている姿を見るのがいたたまれず、個人的には選挙期間中はろくすっぽFacebookやTwitterを見ることはなかった。そこには皮肉もユーモアもなく、とんちでレスを返そうとしてもまるで笑えない代物になってしまうので、レスも躊躇してしまうほど、連中はマジメになってやがる。
クソだなおい、という先入観はまあ俺の感想だから置いとこう。ただ、愛でもって世界とユナイトしようぜヤーマンという甘い言葉や理想で現実の政治できるのか、という問いには彼らは一切応えたがらない。トロけるような三宅洋平の演説(これはこれで芸としてスゴいと思う)を聞いた気分のまま、同じ夢、同じ理想を描く物語の上に自分を置いている。夢遊病者みたいなものだ。
それはアカンことやで、政治ってのはバランスやで、と言わなければならないが、そいつは物語の中に置いている自分が好きだから、そこは耳を塞ぐ。それだけ現実の政治ってのが耳を塞ぎたくなる目を覆いたくなるテイタラクだってのはそりゃその通りだが、しかし「お前の一票で世界を変える」という言葉は強靭で、ロマンに溢れすぎてる。目覚ませよ、頭冷やせよ。そんなんだから陰謀論に取り憑かれるんだぜヤーマン。