自分の好きな人が出てる雑誌を読んでは好きな異性のタイプを見て一喜一憂し、ラジオで好きな髪型について話せばその場で美容院を予約し、熱愛記事が週刊誌に載れば昼休みに会社を抜け出して一人になれる場所を探した結果前方不注意で車に轢かれかけたりします。
わたしの好きな人は歌もダンスも上手くて、声が好き、踊りが好きというファンの人がとても多いです。私も彼の長く伸びる声が、踊るときに地を蹴る足が大好きです。けれどわたしはもし彼が歌えなくなっても、踊れなくなっても彼のことが好きだと思います。それはわたしのこの感情が「恋」だからです。
わたしには大好きな親友がいます。生まれてこのかた芸能人に一切興味を持ったことのない女の子です。彼女には彼氏がいます。ジャニーズ事務所所属の、アイドルです。わたしの好きな彼ではないですが、顔も名前も知っていました。
彼と彼女の出会いについては詳しいことは伏せますが、少なくともわたしの知る彼女はどこまでも普通の子です。こんなことを言うとあれですが、女優やモデルのような誰もが振り返る美人ではないです。笑うと可愛い、思わずほっぺたをつつきたくなる普通の女の子です。そして彼女の隣にいる彼も、テレビで見たときとは全く違う、普通の男の人でした。
わたしはたまに妄想をします。わたしの好きな彼と出会って恋をする妄想です。妄想の設定は様々で、私が彼のマネージャーだったり、両方とも高校生で制服デートしたり。その日の気分によって設定は様々ですが、一つだけ共通していることがあります。それは、「妄想の中の自分はジャニヲタではない」ということです。ジャニヲタの自分が彼と出会って恋をする妄想を、わたしはイメージすることができません。何故なのでしょうか。考えると頭が痛くなります。