周囲の社員の方と比べて、君はなんというか浮いて見えた
身体は小さくスタイルも良くはなく、メガネを掛けた丸い顔は、お世辞にもイケメンと評される容姿じゃない
趣味趣向や人間性についても周囲の方と君はなにか隔たりがあって
同じ課の同年代の集まりに、君が参加しようとがんばってるのは見て取れて
私は混ざれない資質を我が事のように哀れに思いながらも、偉いね、がんばってるねと思って見てた
以前の部署は花形(というのか分からないが)部署だろうし、辞めたとはいえ誇らしく思っているところはあるんだろう
そんな様子はなんとなく哀しく見えた
けどそれでも周囲の人と関わって徐々にうちとけてゆくのを見てて、ああよかった なんて思ってた
君は小さい体で丸い背中で静かに黙って画面に向かってて
なにか我慢してないだろうか、泣いちゃったりしないだろうかと余計な心配をしてた
君が思いのほか積極的でお喋りで、あちこちの仕事に首を突っ込み、それぞれで成果を出し、
いつの間にかバイネームでたくさんのことに関わるようになっていたのは
そばで見ててすごくうれしかったよ
新しいチームでは気の合う同僚も多かったのか、よく雑談しに行ってた
素っ頓狂な声で笑ってるのを度々耳にした
君の声は大きくてフロア中に響く
うひゃひゃ!と高い声で笑う笑い声、正直ちょっとキモい、と思いつつも
君が楽しいなら良かった良かった、なんて思ってた
私にとっての君は言わば子どもだとか、そういった自分の延長線上の存在で
きっと君が、元気で一人で頑張れて、弱さなんかなくなってしまって
私のことなんて必要なくなってしまったら、じゃあ私もいらないって思うようなものです
それは同情っていうのか共依存っていうのか分かりませんが
君が私を要らないっていうなら、そんな君には私はもう愛情の欠片もないので