小学3年生の時、変質者に遭った。
その日は友達と学校のすぐ側にある神社の公園で、おばあちゃんと孫ごっこと言うよく分からないごっこ遊びをしていた。
友達に借りたテニスのラケットを持ちながら、大き目のブランコに乗ったりもしていた。
すると、長髪で金髪の当時で言えば今風の若い男の人が私達二人に話しかけてきた。
昔過ぎてよく覚えていないが、要約すると、最近体調がおかしい。特に下半身がおかしい。しかし病院に行って看護婦さんに見せるのは場所が場所だけに恥ずかしい。だから君、見てくれないか
と言う事だった。そしてその変質者は私の友達に見てほしいと指名した。
大人しめだった彼女はビクビクしながら、いや、でも、と渋っていた。するとその変質者は「じゃあ友達も一緒でいいから見て」と、私を妥協策として友達に提案した。今思えば完璧なる貰い事故である。そして失礼極まりない。
私が一緒なら、と承諾した友達と、なんだよコイツ、と内心思っている私達を尻目に変質者はズボンを下ろした。そしてお尻を私達に向けながら、お尻を突き出す形で体を折った。私達が見えていたのは変質者のお尻である。
そして「この辺、この辺」と言いながら不調を訴えるのだが私達にそれが分かるはずもなく、ただしばらく変質者のお尻を見せられていた。
するとテンションが上がった変質者が「今、今どんな感じ?どんな風になってる?」と私達に答えを求めてきた。そして私達は見たままを変質者に伝えた
「なんか、白いのが出てます。」
「出てる?出てる?」そう言いながら辺りに白い物を撒き散らした変質者は満足そうにズボンを上げいそいそと帰っていったのだ。私達は一瞬何が起こったのか分からず、ぼうっとした。
そして、変質者だったのだとなんとなく気付いた。
その後友達の家へ戻り先ほど起こった事を彼女の親に話した。父親に話しながら泣いていた彼女を見て、こういう時は泣くのが正しいのか、と驚いた。私自身一ミリも涙が出そうではなかったからだ。
怖かったね、なんて言いつつ内心では何も感じていなかった。ただ心臓だけがバクバクとしていた。私も家へ帰り起こった事を姉に話した。姉はなんだかよく分からないと言う表情をしていた。私はとりあえず友達の真似をして泣こうとした。けれどなんとか一滴だけ絞り出した以外は出なかった。
母が帰宅する。一連を話すが眉を少し下げ笑っただけだった。友達が親に掛けられていた「怖かったね」なんて事も言われず、とりあえず色々な人に話しては困ったように笑っていた。私はこんなものか、と思った。
そしてあれから数十年経った頃私の性癖に異変が出た。それは異様に男性の自慰に興味があると言う事だ。興味があるどころではない。自慰をしている男性を見たいのだ。どうしてだろう?と漠然と考えていたがその頃は一切答えが出なかった。しかし最近気付いたのだ。あの変質者は自慰を私達に見せていたと言う事、出ていた白い物は俗に言う精液だという事が。