2015-06-14

この孤独フィクションです

※この物語フィクションです。


孤独だ」

年齢は?

「29」

付き合っている人は?

「いない」

どんな時に孤独を感じる?

「なにをしていても、ふとした時に感じる。仕事が終わって、誰もいない部屋に帰って、ひとりでコンビニ弁当を食べることにはもう慣れた」

なにかこう、具体的なシチュエーションがあるわけじゃなく、ふと自分孤独な一面をのぞいてしまう、という感じかな?

結婚した友人は幸せそうだ。一方で、ずっと恋人のいない友人は、もう人生を諦めて割り切ってしまっている。そんなことが私にはできない」

君はまだ29歳なんだ。人生を諦めるにはまだ早いさ。

「違う。29は、もう人生の終盤だ。この先のほとんどのプロセスが、既に決まっている」

そんなことはない。1年後にはまったく違う君になっているかもしれない。

「そんな気力はもうない。ああ、もうすべてを壊してしまいたい」

たとえば、なにを壊したい?

「すべてを壊したい。幸せも、不幸せもない、無の世界

それも特定の誰かや、何かじゃなく?

特定のものを壊したり、作り上げたりすることなんて無駄じゃないか。嫌いな誰かを殺したりする、あまりに短絡的で愚かな行為だ」

そうだね、人を殺したりするのはよくない。

「そこに意味を持たせることが愚かなんだ。だから、すべてを壊したい」

うん。もしかしたら、思い通りにいかない日々に苛立ちを感じているのかもね。支配欲が強いのかもしれない。

「それはおかしい。誰だって優位に立ちたいじゃないか」

平等、という考え方もある。

「それは理想だ」

理想でも、追い求めなくては実現しない。君が不満を感じているのも、理想としているもの現実との解離が激しいからじゃないかな。

疲れた死にたい。なにも考えたくない」

うん。そうだね、まずはゆっくり休もう。君の心の中を、真っさらな状態に戻すんだ。こわいかもしれないけど、壊すべきはまず君のその心なんだ。

「お前が悪い。お前がすべての元凶なんだ」

そう。僕がすべての元凶。だから容赦なく僕を殺せばいい。

「クソ!!お前のせいですべてが狂い始めたんだ!!無性に腹が立つ!!いますぐだ!!いますぐお前を殺してやりたい!!」


そして、自由想像をするといい。

そのうち忘れかけていた昔の幻覚が見えてくるだろう。

次は、その夢から覚めない様に一心に信じ続けられるといいね


幸運を祈る。

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