名刺はない。メールアドレスもない。電話もない。席は共用のパソコンの前に居候みたいな感じだ。
かつては正社員だった。妊娠から出産を経て、復職してしばらくの後、その会社を辞めた。
マミーズトラックとかマミートラックとかいうやつ。上司には「何を頼んだらいいかわからない」と言われていた。
そうだろうね、急な呼び出しもあるし、時短だし。
辞めたのは、今思えば愚かだったのかも、とも思う。
でも、あのまま残っててもどうなってたかな。
で、辞めて以来正社員としての仕事に就くことはかなわなかった。
でもだいたい働いている。パートだとかアルバイトだとか契約社員だとか。
パートのおばさんを「育てる」意識も余裕もないので、ちょっとやらせてみてできなかったら即アウトって会社もあったな。
あと、会社に捧げられる労働時間以外の面では周りの正社員と比べて能力的にそれほど劣っているつもりはなくても、なんとなく下に見られているような気がしてしまうのもしんどい。
社内で階級みたいなものがある感じがする。いつの間にか不必要に卑屈になっている自分に気づく。
まあ、いくらでも残業できて、会社の都合に合わせて動いてくれる人というのが大前提なんだろう。
その条件を満たしてはじめて一人前の労働力とみなされるわけだ。
正直なところ今の立場は不本意だ。学生時代、そして社会人になってからの努力は何だったのかと思う。
この先も正社員になることはないだろう。
しぶとく生き延びよう。
能力はあるんだからこういう人ばっかり集めて会社を作ればガバガバ儲かるような気がするんだよなあ。
いちど仕事を辞めてしまったらきっと増田のような状態になる、ということがわかっていて、それが怖くて、仕事がやめられない。 夫といっしょに暮らしていたけど、彼が転勤になって...