9年。
9年間かかって、ようやく俺はオナニー道を極めた。
はじめて射精したのは9年前の秋だった。
ネットでオナニーという言葉を初めて知って、なんとなく布団にもぐって亀頭をごしごし、まもなく急激な快感が全身をつらぬいたのが俺の華々しきデビュー戦だ。
それ以来、亀頭以外の方法として、サオの部分を刺激する方法もやがては採用するようになり、だんだんとオナニーバリエーションは増えてゆく。
寝たまま、立ったまま、座ったまま、正常位スタイル、バックスタイル、添い寝スタイル、床スタイル、シャワースタイル、テンガスタイルなどなど、オナニーのフォームも9年の間にどんどん増えた。
いちばん悩んだのが早漏をどう治すか。
早いときには13秒でイクこともあった。
これではせっかくのオカズを味わうことができない。
亀頭を避けて極力サオの下部をやさしくシコシコする方法が近年のスタイルとなっていたが、それでも5分ほどすると射精感がわき上がってくるので、これじゃ俺のオナニーライフはまだまだ道なかば。
そして数日前に転機はやってきた。
いつものようにオカズのアイドル画像を用意して、あっという間に勃起させたが、なんとなーくその日は亀頭からサオにかけて一直線に軽く刺激する方法でやり始めた。
はじめての感覚。
5分たっても10分たってもあら不思議、射精感はまったくやってこない。
そして15分以上たってようやく、身体の芯からぶわーっと吹き上がるものが感じられて、アイドルのおっぱいを見ながら勢いよく大量の射精をしたのだ。
燃え上がりそうな性欲と精液とを自らの力で見事にコントロールして、ごく自然な射精によってそれを放出できたのである。
たぶん俺は9年間「皮オナニー」をしていたゆえに、自然な射精が妨げられ、結果早漏になっていたのだろう。
やっと脱出できた。
でもこの日は少し時間がかかりすぎた嫌いもあったので、より完成度を高めるべく、しばらく精子を溜めた上でもう一度挑戦しようと決意する。
3日ためてやった今日の記録を書き留めておきたい。
いつものようにかわいいアイドル画像を用意して、堅くなるのに1分、性器の愛撫に13分、寝たままスタイルで、自然な射精まで合わせて14分なり。
9年間かかった。
嬉しくってうれしくってたまらなくって、もうここに書かずにはいられなかった。
「完成」と書いたけれど、じつは俺のオナニー道はまだまだ頂点には達していない。