声優のL先生が、とある専門学校で講演されるという情報を小耳に挟んだのね。
その学校の授業としてなんだけど、外部の人間も自由に参加できる講演会っていう形だった。
通りに面したファザードに入り口の扉があって、外からすぐにひょいと入れちゃう。
くぱぁ(扉を開ける音)
DQN2「うwwけwwるww」
バタン(扉を閉める音)
Nexus買えば良かった。
ええと、目視で確認っと(ウエストバックから会場案内図を取り出す)。
……ん?
やっぱここだぞ……
き、ききき、きっとさっきのDQNは通りすがりのDQNだよ(震え声)。
もう一度「くぱぁ」したあと、膣内、違う、那珂、違う、中に入ったの。
そしたら「通りすがりのDQN」がいっぱいオッパイいるわけ。早くドンキ行ってくれよ。
大学の階段教室みたいな場所なんだけど、DQNたちが後ろの方で騒いでる。
前の方にはパッとしない、スクールカーストの底辺が人のカタチになったみたいな学生たちがおとなしく、互いに微温度的な距離を保ってポツンポツンと座ってる。
僕は最前列で、生まれたての子鹿のようにプルプル震えながら待機。
「L先生がいらっしゃる→騒ぐDQNを叱る→でも静かにならない」っていう展開が、コンマ5秒くらいの演算で予測できて、5分後くらいにはそうなった。
この講演、なぜ外部に公開したし。
コミケのサークルチェックリスト作る時のようなルンルン気分で、前日に書いた。
だから、背後に感じるDQNたちの視線が怖かったけど、勇気出して挙手したわけ。
そしたら、コンマ5秒前までDQNたちの奇声で喧しかった講堂が、水を打ったように静かになった。
普段おとなしい奴がうわずった声だして、クラスのみんなが急に黙りこくる感じ。
僕「声優のランク制についてどう思われますか? ベテランの方になられると、予算の関係で仕事が減り、三石琴乃さんのように自ら事務所を開設する方がいらっしゃいます。後学のために先生のご意見を伺いたい次第です」
僕は大きな声で滑舌よく言ったし、講堂内アホみたいにシンとしてたから、L先生には聞こえたはずなんだけど、先生Windows95みたいにフリーズした。
L先生「……ええ、あとでキミだけに教えてあげるね」
氏にたい。
あと、何も教えてくれなかった。会ってもくれなかった。光速で先生帰った。業界の暗部怖い。
DQN「ほら、涙拭けよ……」
専門学校が専門に学びたい人の学校ではなく単に大学に入れなかった人たちの受け皿であることはいまや常識
だからさ、そういう「声優学校」みたいのと、本来の専門学校と一緒にするなよ。 そんな意味のない専門学校()に行かせてもらえるのはそこそこの小金持ちの家だけなんだから。 地方か...