2012-12-03

http://anond.hatelabo.jp/20121203211352

今年は2010年ではなく2012年なので、自然利子率が2010年のまま 0%だと仮定しても(↓)

http://f.hatena.ne.jp/perfectspell/20121203201658

2012年の今は名目金利0.1%・期待インフレ率0.6%(目分量)で

日本経済の状況から見て緩和不足」とは いえないのでは。

均衡実質金利は緩和か緊縮かの閾値であって、十分な緩和をしているか否かの判断のためのものではない、と書いたものを読まれましたか?僅かでも緩和側なら良いというものではないです。

そして、50bpでは緩和には不十分です。日本ではなくなって久しいですが、通常の金利変更によって緩和を目指す時には、一回の緩和局面の底ではもっと大幅な緩和をしています

金利ギャップグラフでも概ねそれは読み取れます。ただし平均値統計上、上にも下にも小さな値になってしまいがちなことはご注意を。

緩和効果をある程度の現実的な期間で得るためには、それくらいの緩和が必要ということです。

なお、確かに今年は2010年ではなく2012年です。そして、均衡実質金利は景気が谷から山へ向かっている時には高まり、山から谷へ向かかっている時には低くなる傾向があります

そのため、今、そして今後しばらくは2010年の0%と変わらないか若干下がるものと想定しています。正確な推計値はデータが揃う大分先になるまで誰にもわかりません。

過去の均衡実質金利の推移や現在の景気状況から考えて100bpを超える緩和にさえなっていない蓋然性が高い、つまりは緩和不足は続いているという判断ですので、それが思い込みに見えるならおそらく何か別の思い込みをお持ちなのでしょう。

余裕を持って金利ギャップを負に持っていくというのは、つまり高めのインフレ率を設定するのと一緒で、バブルを醸成しやすく、

しかバブルが破裂した後、金利を下げて後始末をするのも難しくなると考えますが。

高めのインフレ率を設定することがバブルを醸成しやすくなるという話は聞いたことがありません。普通はむしろ逆で、インフレ期待が低い時にバブルになりやすいと言われています

また、インフレが高い方がバブルが破裂した後の景気悪化・デフレ化を抑えるという後始末をするための糊代があり、対処がしやすくなるという考え方が一般的です。

http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/yasashii4/04.html

http://www.jcer.or.jp/column/fukao/index424.html

金利ギャップが -1~1%の間に収まっていれば問題視するのは誤った判断と思いますけどね。

金利ギャップがずっと-1~1%の間に収まっているならば、金融政策はずっとほとんど何も機能していないということです。

経済が常に独力で望ましい均衡状態を維持できるという、経済学モデルの上だけのもののようなあまりに非現実的な世界でもない限り、それが望ましいこととはとても考えられません。問題視すべきことです。

記事への反応 -
  • まず、金利という考え方に疑問。 今は昔と時代が違って、実に40%以上の企業が無借金経営で、金余りの時代による負の金利時代。 欧米でも日本でも、内部留保をどう投資に回すか?...

    • 企業が無借金で金を溜め込んでいても、金利は投資に影響する。 企業は溜め込んだ金をただ現金で寝かしているわけではなく、銀行預金にせよ国債投資にせよ何らかに投資している。 ...

      • 気がするperfectspellことレフです。 . 均衡実質金利 - 実質金利 = 金利ギャップが 高止まりしている主張かと思いますが、今の金利ギャップは幾つなのでしょうか。 <img src="http://f.hatena.ne.j...

        • 均衡実質金利 - 実質金利 = 金利ギャップ が高止まりしている主張かと思いますが、今の金利ギャップは幾つなのでしょうか。 渡辺(2012) http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/wps_2012/data/wp12j03.p...

          • レスども。 今年は2010年ではなく2012年なので、自然利子率が2010年のまま 0%だと仮定しても(↓) http://f.hatena.ne.jp/perfectspell/20121203201658 2012年の今は名目金利0.1%・期待インフレ率0.6%(目分量)で...

            • 今年は2010年ではなく2012年なので、自然利子率が2010年のまま 0%だと仮定しても(↓) http://f.hatena.ne.jp/perfectspell/20121203201658 2012年の今は名目金利0.1%・期待インフレ率0.6%(目分量)で 「...

              • 金利ギャップが負(推定)なのに、金利が高止まりと強弁し続けるのは一般的ではないと思いますが続けますか? 結局「蓋然性が高い」という思い込みで今の金利ギャップは不明だけど、2年...

                • を混同してるだろこいつ http://anond.hatelabo.jp/20121204113745 実質金利=自然利子率 → 中立 実質金利>自然利子率 → 引締 実質金利<自然利子率 → 緩和 実質金利=テイラールール - ...

                • 結局「蓋然性が高い」という思い込みで今の金利ギャップは不明だけど、2年前の統計しか用意してないけど、「今の金利は高い」というあなたの主張が始まりなのですが。 前回も少...

                  • う~ん。混乱してきたかな。 . . 前回も少し引っかかったのですが『「今の金利は高い」というあなたの主張』というようなことを一体どこで私はしたのでしょうか? http://anond.hatelabo.j...

                    • つまり現在は金余りではなく金足らずの時代であり、それが続くと予想されるからこそ企業や家計は必死に現金や換金性の高い預金・国債などの資産を溜め込もうとしている。 なるほ...

                    • つまり現在は金余りではなく金足らずの時代であり、それが続くと予想されるからこそ企業や家計は必死に現金や換金性の高い預金・国債などの資産を溜め込もうとしている。 なるほ...

              • 結局「蓋然性が高い」という思い込みで今の金利ギャップは不明だけど、2年前の統計しか用意してないけど、「今の金利は高い」というあなたの主張が始まりなのですが。 前回も少...

            • 引用先の画像に2012年はないようだけどどうやって目分量で見たの?

            • 消費税の負担は需要の価格弾力性に応じて消費者と企業で分け合う。 消費税増税で消費者物価の予想インフレ率が上がっている時には、 企業の税抜きでの売上単価の予想インフレ率は...

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