2012-05-16

ツアーバス事故ホテル火災の「再発防止対策」の本質

 ツアーバス事故ホテル火災と、

 「法令違犯にも起因する事故」が相次いでいるが、

 そういう事件の再発防止として、行政は「規制の強化」を掲げている。

 (例=ツアーバスの運転手1人運行距離の短縮化)

 「規制強化なんて意味がない」とまでは言わないが、

 行政は「規制を強化すれば、自動的に事故も防止できる」と安易に考えていないか

 今回の事故の教訓は、

 「規制を作るだけでは何の意味もなく、規制が遵守される仕組み作りの方がはるか重要

 ということじゃないのか?

 具体的に言えば、規制違犯の場合の罰則強化であり、規制違犯の通報制度であり、

 もっと言えば規制監視要員の大幅増員(=予算増加)である

 

 最低賃金制度引き上げ議論とかでも感じたのだが、

 「そもそも最低賃金が守られてない現状を放置したままで、法令だけ書き換えても、

  実際の手取額はなんら変わらない」んじゃないか

 行政側は「性善説、基本的に規制は遵守されるもの」として制度設計しているが、もはや

 「性悪説、基本的に規制は違犯されるもの」という前提で、警察的強制権で制度設計するしかないのでは? 

 もっとお笑いなのは

 「行政が、各業界団体に、再発防止の取り組み、法令順守の要請を行なった」というニュース

 これなんか、行政が「一応は事故対策の取り組みをしましたよ」というアリバイ工作をした、という

 以外の何者でもない。

 

 陸援隊のような「確信犯違反者」はそもそも業界団体なんかには加入しないだろうし、

 仮に入っていたとしても、業界団体から流れてくる要請には「馬耳東風」だろう。

 

 昔の「霞ヶ関業界団体による、美しきカルテル護送船団」であれば、

 多分に「業界団体経由の行政指導」は奏功したと思うが、

 世間業界団体カルテル的体質を、そして業界団体霞ヶ関癒着を、許さなくなった。

 なのでツアーバス業界などでは「美しきカルテル護送船団」などは、とうの昔に崩れ去っているのだが、

 行政側はかつてのやり方でしか対策を打てない。(その対策は何ら意味がない)

 穿った見方をすれば、霞ヶ関が「美しきカルテル護送船団」を本能的に維持しようと思っているのは、

 「規制手法として、それが手っ取り早い、ラクチンだから」じゃないのか?

 大臣事務次官業界団体の長を霞ヶ関に呼びつければ、以上終わりだから

 一方、護送船団なき業界での「実効性ある規制構築」は、ものすごい手間が掛かる。

  • じゃあどうやったらその仕組みが作れると思うの?           結局は金なんだよ みんな金がたんまりあるなら、ワザワザ違反を放置したままにはしないし 行政だってちゃんと指導を...

    • 正直、再発防止を諦めればいいだけではあるんだが…。 もちろん、事故犯罪には軽重があるので、その軽重をつけた上で。 ただ、この軽重をつける行為、軽重にコンセンサスを与え...

  • お前のそれは「対案なき批判」ってヤツだよ。 いや、対案はあるにはあるんだけど対案が幼稚すぎる上実効性に乏しいからないのと同じだ。 俺は橋下とかはあまり好きじゃないが 橋下...

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