2022-07-12

県警の要人警護訓練を見ていたら悲しくなった

まず最初に、安倍元首相ご冥福をお祈りします

 

今回の事件犯人は事前に射撃練習を重ねるなど用意周到であり、直前に安倍元首相応援演説が決まったこともあり警備対策は困難であったと思う。

自分事件直後は、警護は結果責任重要職務であり責任は問われるべきだと思うのだが、一方では、たまたま警護の責を負った奈良県警は不運だなとも考えていた。

 

しかし、Youtubeに上がっている複数の警護訓練の画像を見て、これは個別県警というより県警を超えた全体の警察組織構造的な問題ではないかと考えるようになった。

 

警察組織の公開訓練の映像

今回の事件前に公開されていた各警察組織の訓練映像が下記。

映像の中でも要人警護のあたりからスタート。都合よい切り取りではと思ったら通しで見てください。)

 

 

まり様式的・儀式的・画一的。訓練は形骸化していなかったか

もちろん、これはマスコミ一般用の公開映像だということは留保すべきだとは思う。

外部に見せるための訓練として、ある程度のフォーマットが決まっているのではあろう。

 

しかし、どの自治体警察の訓練想定も非常に類似しているし、今回の事件比較すると理想的すぎる状況ではと感じてしまう。

そう感じる点は下記のような点。ほかにも色々あると思う。

 ・ 訓練シナリオ要人が車から出てくる→観衆に近づく→暴漢が飛び出す→車に退避

 ・ 観衆は20人程度で片側に整然と並ぶ

 ・ あらかじめ安全地帯となる車が用意されている

 ・ 暴漢は一発目を打つ前に奇声を発するなど存在を誇示する

 ・ 暴漢が飛び出ると観衆も一斉にしゃがんで回避姿勢をとるなど、冷静に協力的に対応

 ・ 警護対象要人も即座に回避姿勢をとり、鍛えられた成人の退避スピードで車に迷わずに逃走する

 

根底問題

もちろん訓練の目的として基本動作を反射的に行えるようになることは重要であり、ある程度の共通の型は必要だと思う。

また、現場警察官SPの方は個人個人は日々努力されているであろうし、要人警護に対する責任感も強くあっただろう。

 

しかし、あまり画一的な訓練を行うことで思考力や判断力を停滞させ、今回のような事態に臨機に対応できなかったのではと思ってしまう。

おそらく、全国の警察組織にわたって訓練マニュアルと公開向けの訓練マニュアルが用意されていて、それに従って行動することが徹底されてしまっているのではないか

上記映像を見ていると、訓練プログラム自体機能していなかったのではという思いに駆られる。

 

今回の件を警護に当たったSP奈良県警個別責任問題のみに矮小化するべきではないと思う。

非命に倒れた安倍元総理に殉じ、現場警察官努力に報いるためにも警察構造的にプログラム見直した方が良いのではと考えた。

 

 

あと、雑感

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