2022-06-21

左翼だけど消費減税政策に賛成しません

自分左翼だけど、野党が掲げる消費減税や所得減税策は非常にナンセンスだと思っている。野党支持者はこうした馬鹿げた政策を支持するべきではない。その理由は、(1)貧困者に大した恩恵がない、(2)政治的実現性がない、(3)シナリオが楽観的すぎる、(4)選挙戦略としても最悪という4点である

(1)減税策は、再分配政策として効率が悪く、そもそも大した税金を払っていない貧困者には、さほどの恩恵はない。年間食費100万の世帯消費税ゼロになったら10万円給付されたのと同じだと言う人がいるけど、同じ理屈で食費30万の貧困層は3万円しか給付されないということになり、あまり不公平政策しか言いようがない。

(2)減税の主張には、見返りとして「代替財源」を必ず要求される。基本的には歳出の大幅カット以外にない。れ新のようにMMT理論で「国債」と即答してバカにされないのはネット経済論壇オタク世界だけで、それが現実政治の場面でも通用するかのような物言いは明らかに甘すぎるだろう。財務官僚の実務経験勉強量を前にして、論破できる能力のある政治家が野党にどれだけいるのか怪しい。そもそも「低負担・高福祉政策世界のどこも採用しておらず、これまで成功例のない政策採用される可能性は限りなく低い。

(3)将来的に再増税するとき経済的なショックについては、なぜ楽観的なのかわからない。減税しても期待したほど消費は伸びずに経済成長もせず、再増税したら消費が大打撃を受けるという、最悪のシナリオはどうして想定もしないのだろうか。少なくとも政策というのは、最悪のシナリオベース立案されるべきなのが鉄則だろう。

(4)選挙戦略としても減税を掲げることはきわめて悪手である。とくに野党が「減税」を掲げる場合民主党政権記憶もあり「また有権者バカにした現実性のない甘い政策を掲げている」「やっぱり政権を担う覚悟責任感がない」と見られるだけである。「減税」を全面に掲げた場合野党は無残なほど大敗するだろう。減税策は、政権運営能力があると認められた与党が徹底的な民営化や厳しい歳出削減とセットにした上ではじめて支持されるものであり、政権運営能力がないと思われている野党提案しても無党派層に響くことは絶対にない。

しかしなんで日本左翼って、「増税分を社会保障と再分配に回す、それと並行して景気対策も進める」という当たり前の主張が少なく、ネオリベが喜ぶ減税策が大好きなんだろうか。

  • なるほど勉強になった

  • 最初に過去の貯蓄の取り崩しや、資金調達しての支出で金が動いて(経済理論上の投資)、収入に一定割合の比率の消費性向で消費をしていって、残りは貯蓄され、最後に別の場所で止...

    • 言っていること自体は間違っていないと思うし、別に反対ではないけど、「政治」の話が一言もない。だから全然噛み合っていない。 自分が言っていることは、「消費減税を実現しよ...

      • 代替財源は溜め込まれやすい場所だよ。法人所得、金融所得、富裕者所得。 そもそも消費税増税と同時に法人税、所得税減税がされて、減税額が近いものである以上、消費税増税は福祉...

        • だから政治的なプロセスにおける交渉と妥協のプロセスにおいて消費減税策を掲げることが筋悪だと言っているのに、どうしてファシスト独裁者でもなければ実現困難な「ぼくのかんが...

          • 法人税増税や累進所得税増税をすれば金持ちや企業が文句言うからできないんだ!としか聞こえなかったけど。 昔は高い法人税と累進所得税だったぞ。 与党政治家ができないなら野党政...

            • >金持ちや企業が文句言うからできないんだ!としか聞こえなかったけど。 金持ちや企業だけじゃないよ。財務当局、財政学者、エコノミスト、与党政治家、マスメディアなどなども批...

              • 具体的に消費や設備研究投資に紐づいた金は減税しても良いが、法人税本体の減税は現預金の内部留保を増やして景気を落とす。現預金の内部留保批判は最近は増えてますな。 本来内部...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん