麻耶さんも麻央さんも恐らく、自分の気持ちを抑圧する事で、家族の平穏と自身の安全を守ってきた(そうして生き抜くしか方法がなかった)タイプの方々ではないかと思う。
幼少期に何があったかは知らないが、もしかしたら苦労もあったのかもしれない。
表に見せる表情と、心の内にあるとても繊細な気持ちとが乖離せざるを得ない環境にあったのではないか。
つまり、本当は寂しくても悲しくても、本当は傷付いていても、家族の為(あるいは自分の為)に無理に笑顔を作り続ける必要性があったのでないか。
そうする事で乗り越えられた事、うまくいった事も確かにあったのかもしれない。
特に麻耶さんは、姉という立場もあり、背負うものが多い分、小さい頃から自分の気持ちよりも家族や誰かを優先する機会も多かったのだろう。
自分の気持ちを自身が無視し、心の傷がなかったかように振る舞う機会が多ければ多いほど、「私は平気だという顔」と「笑顔」の仮面が張り付いたように剥がれなくなる。
一方麻央さんは、そんな優しい姉の健気な努力に守られつつも、姉の無理を案じ気遣っていたのだろうと思う。
本当は繊細な姉の心を、これ以上犠牲にしなくてもいいよう「お姉ちゃん、少なくとも私は全然平気だよ」と、のほほんと、しかし図太く逞しい自分を無意識に演じていたのではないかと感じる。
そのため麻央さんも麻耶さん同様、複雑な思いを抑圧していたのではないだろうか。
似たような特徴を持つ麻耶さんと麻央さんだが、2人には決定的な違いがある。
麻耶さんは、背負うものの重さによりその時その時が精一杯で、また、張り付いて剥がれない笑顔の仮面と繊細な心との狭間で、どうしても「のらりくらり」状態になってしまう。
とても苦労をしているのに、苦労をしてるからこそ、フラフラとしているように見られてしまう。
一方麻央さんは、姉に守られている分の余裕を最大限に生かし、姉の苦悩をひっそりと支え続ける為の洞察力と安定感を磨いてきたのではないだろうか。
麻央さんなりに姉を守る為、のほほんと図太く鈍感な自分を保ち続けるというある種の信念を掲げていたであろう麻央さんは、とても真っ直ぐで、そして実は頑固な方だったのではないかと思う。
麻央さんは海老蔵さんに、麻耶さんと似たようなものを感じていたのではないだろうか。
海老蔵さんは、麻耶さん以上に強く強く自分を抑圧して生きてきたように見える。
しかし麻耶さんとは違い、海老蔵さんには、いくら自分に圧をかけ抑えつけても漏れ出してしまうほど、溜め込んできた強い感情のエネルギーがあるように感じる。
その強いエネルギーを抑え続ける為に、人間らしい感情を極限まで削る事を意識しながら、生きなければならなかったのではないだろうか。
そしてストイックに自分を追い込み、恐らくあるであろうルーティーンをこなす事で安心感を得つつ、それでも足りない部分はさまざまな方法でガス抜きのように発散し、やり過ごすように生きてきたのではないだろうか。
麻央さんはそんな海老蔵さんの内なる心を、分かっていたはずだ。
今まで、抑圧して生きてきた姉をそばで見ていたのだから。そしてそんな姉を、ひっそりと支えてきたのだから。
海老蔵さんと結婚した時点で麻央さんは、今まで姉にしてきたように、彼を支え守るという信念を掲げたのだろう。
彼の心をこれ以上犠牲にしなくても良くなるように「少なくとも、私は全然平気だよ」と、強く逞しく穏やかに。
麻央さんはどれだけ辛くても、自分を犠牲にしようとも、その信念貫き通したのだ。
麻耶さんの話に戻そう。
妹は耐え難い苦しみを抱えながら、それでもひたむきに信念を貫こうとする姿。
麻耶さんは、そんな麻央さんをどう見ていただろう。
察するに余りあるが、麻耶さんは妹と妹が掲げた信念を守り抜く為、今まで以上に自分の心を抑圧し、「笑顔」で麻央さんと甥姪を支え続けていたのだろうと思う。
しかしもはや、今までのように「笑顔」では乗り越えられないほどの理不尽な現実と、今までのようには抑えきれない強い感情もあったはずだ。
それでも、それでも麻耶さんは、笑顔を崩さなかった。崩せなかったのかもしれない。
妹を失っても尚。
麻耶さん自身、すでに剥がし方のわからなくなってしまった、そして結局何も救えなかった自分の「笑顔の仮面」を憎んだだろう。
どれだけ自分を責めただろう。
その「笑顔の仮面」が、ガラガラと崩れて剥がれるキッカケとなったのが、麻耶さんの元夫、國光あきらさんだ。
國光さんはとても優しい方なのだと思う。
恐らく麻央さんしか知らなかった、麻耶さんの笑顔の仮面の下にある本当の顔を、彼は優しく撫でたのだ。
麻耶さんが今まで、家族や何かを守る為に笑ってやり過ごしてきた長い長い年月。
そして、抑圧してきた悲しみと怒り。
國光さんは自らが、麻耶さんの心を写す鏡となり、本当の姿を麻耶さんに思い出させた。
そして、そんな麻耶さんの全てを愛し守ると誓った。
「怒っていいんだよ、僕はとっても怒っている」
麻耶さんは時に恐る恐る、時に解き放つように、今まで抑圧してきた感情を放出し始めた。
本当はとっても傷付いてきたのに、それを無視するように笑ってやり過ごしてきた自分自身。
そうして傷付けられたことを、許したかのように振る舞ってしまっていた自分自身。
そんな自分を変える為に、もうこれ以上後悔しない為に
心からの笑顔は、抑圧した気持ちを素直に吐き出し受け止めた先にあると信じ
私には、そんな風に見えて仕方がない。
事実無根過ぎて矮小な文章だな 無料でも読むに値しない
再投稿は甘え anond:20220329013644