前に製菓業界の管理部門にいたからちょっと書いてみる。念のため少しフェイク入れてます。
製菓業界は職人の世界なんで、残業という概念が基本的に存在しなかった。練習するにしても、新作作るのにしても、店閉めてから取り掛かるしかないから。でもそれは自分の腕を磨くためでもあるから、普通だったんだよな。でも店が大きくなるとそうはいかなくなるし、時代的にもそれを残業とみなすようになってきた。
だから基本的には、退勤のタイムカードを押してから仕事することになってしまう。店長とか上の人間がそれをやるから、下の者もやらざるを得ない。人事側としてもある程度それを黙認してた。
で、俺がいた会社も割と昔からある大きい企業だったんだけど、ある日残業させ過ぎて従業員が仕事中に倒れたんだよ。救急車で運ばれてそのまま入院。それで体に後遺症が残った。そこから労働基準監督署の監査も入り、色々と今までのサービス残業の実態が明らかになった。その倒れた人も勤怠上は残業少なかったんだけど、部屋の入退室履歴や監視カメラ等で、実際は数百時間残業してたことがわかった。でもそんなのみんなやってたんだよ。店に寝泊まりしてる人も普通にいたしさ。
で、最終的にはこのことが新聞で報道された。でもさ、その人が入院したとか後遺症を負ったとかそんな話は載らなかったんだよ。単に、残業代未払い発覚、としか書かれてなかった。
残念ながら俺は下っ端だったからその理由はちゃんとは分からなかったが、一つの理由として労働監督署に改善する姿勢を真摯に見せることによって、報道を控えることに成功したのはあると思う。全店舗で勤務時間を監視する新システム導入、社内規定改正などかなりがんばったからな。
実際、報道される日は会社として把握していたし、いつマスコミに伝えるかも知らせてくれてたんじゃないかな。報道される早朝に朝刊チェックして、詳細が書かれてないことをトップの人たちに伝えたら、ホッとしてたの覚えてるよ。マスコミに詳細がリークされてたら、店のブランドに傷つくからな。
ただ、倒れた人にはどうやって口止めしたのかは知らないんだよな。補償するから口外しないとか、弁護士交えて何か取引があったのかもしれない。
エス・コヤマのところは、ちょっと色々とやり過ぎたんだと思う。残業時間があまりにも長すぎるし、2018年に是正勧告受けた時点で改善すべきだった。さっき書いたように労基署は改善する姿勢を見せれば、割と一度は待ってくれるんだよ。
あとさ、店によっては違うとは思うけど、この業界はパワハラも普通にあると思うよ。だってさ、なんの圧力もないのに数百時間も残業すると思うか?罵詈雑言なんて普通、脅しも当然あるよ。所によっては、暴力もあるんじゃないのか?少なくとも俺のいたところではあった。エス・コヤマがどうだったかは分からないけど、割と業界ではパワハラは普通だと思う。
華やかそうな業界ほど裏はやばいってまじなのだな
製菓業界というか飲食業界全体に通じる話でつまり飲食業マジヤバイ。