2016-01-12

私は一人でアメリカ東海岸とある空港に降り立った。

ここにきた理由は深くは覚えていないけれども、気がつけば飛行機を手配し仕事休みを取り、誰とも繋がらない気ままな旅に出たのだ。

 

到着時、空港を出るとあたりは薄暗く、どことなくみんなは家路に急いでいるようだ。

私はというと特に予定もなく急ぎもしていないので、自分だけ周りの世界から隔離されたような不思議感覚を味わっている。そう、まさに、この感覚を味わうために旅にでたのだった。

 

とりあえずタクシーで宿まで向かいチェックインを済ませ荷物を置いたあと街へでてみた。日本とは違う街の雰囲気ににんまりしていると、不意に着信音がなる。

日本からだ。しかも知らない番号だ。

 

通話」をタッチ。 

もしもし、杉尾さんですか?」 耳慣れない女性の声だ。私は杉尾ではない。すぐに切ろうと思い、歩きながら話す。

「いいえ、ちがいますよ」

「そ、そうですか」

とたんに、女性の声が、急に元気がなくなり、か細くなった。どうしようかと思いあぐねていると

「番号は、080-XXX-XXXXですよね?」

はい、確かにその番号ですけど、私はちがいますよ」

「私、黒木ミサといいますが、聞き覚えないですよね?」

女性は、確認するように、そう尋ねてくる。よほど会いたい相手だったのだろう。

実は、女性気持ちが痛いほどよくわかる。それでつい尋ねてしまった。

「もしかすると、その杉尾さんに長く会えてないのですね?手がかりはこの番号だけなのですね?」

・・・はい

気持ちよくわかります。私も少し前に同じことしましたので」

 

そう、つい2週間ほどまえだろうか、まったく同じことを私もしていたのだ。10年前に引越で疎遠になった古い異性の友人に、逢いたくなり、メールを入れるもエラーで、LINEでは繋がらず、思い切って電話をかけたら違う人がでたのだ。きっとこの女性も同じことをしているのだ。そう思うと急に親近感が湧いてきた。だれとも繋がらないためにここにきたのに、急につながる相手ができた今、なぜか心が高まっている。

今思えば、女性はすでに泣きそうな上ずり声だったかもしれない。最後の手掛かりが途切れてしまっては、落ち込むのもわかる。

「私も、少し前に、手掛かりの番号にかけても、出たのは別人でした。 とってもがっかりしたし、もう会えないかと思うと、途方にくれましたよ。なので、こうして同じ経験をしているあなたとつながったことは偶然じゃないのかもしれませんね。その人に出会えるといいですね」

ありがとうございます。 あの・・・迷惑じゃなければ、もう少し話してもいいですか?」

「あ、いいですけど、いま私アメリカにいるんです、なので国際電話なっちゃってると思うんで、長電話はやめときましょう」

海外に行っている間の電話料金形態をよくわかってなかったので、話しているうちに心配になったのだ。

「え? そうなんですか? あ、でも大丈夫です」

そういった彼女は、改めて軽く自己紹介をし、気晴らしをするかのように取り留めのない話をし始めた。

しばらく話したら、気分がすっきりしたのか、彼女は軽くお礼をいい、通話はそこで途切れた。

通話が終わったスマホを、私はいつまでも耳に当てていた。彼女の声がまだ頭の中で反射している。反射の声が遠くなっていくにつれ、もう一度つながりたい!そう思い始め、SMSうつ [ よければこれからメール等させてもらえませんか? ]

[ はい§^ o ^§ ]

早く日本に帰りたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という夢をみた。あまりにもリアルで、見えてた世界観が印象的だったので、ここに書き留める。多少補足して文章や背景を書き足したが、ほとんどこのままの通りの夢だった。あの女性は、いったい誰なんだろう。

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