2015-01-03

医療関係者の誤認について

科学が人を治すのではなく、人が人を治すのだということ。これだけは忘れて欲しくない。それは、患者の側の一方的な何かとかではなく、社会にとって重要なこと。

当直医さんの愚痴http://ameblo.jp/drpinky/entry-11972348206.html)のようなものをよく見かけるが、こういう医療関係者書き込みを見ると、とても残念な気分になる。

私の仕事は一種の技術接客業であり、自分が得られる報酬はおおむね技術料という認識がされていると思うが、それでも、突き詰めれば1対1となるこのサービス従事しながら、「技術が人を癒すのではなく、人が人を癒す」という考え方を忘れてはいけないといつも思っている。クライアントが求めているのは、直接的には私の技術であるとしても、そもそもクライアントが、、本来家庭内対応されるべきこの要求をなぜ外部委託せざるを得ないかという背景まで考えた上で、技術手段とし、クライアントが本当に求めているもの提供する……そういうメタ視点がないと、本当の意味で「よい仕事」はできないし、この仕事を続けていくことはできない。

その観点からすれば、上記のような医療関係者の呟き、すなわち「自分技術を最もよく発揮するためにクライアントが心得ておくべき方法を弁えていないことへの不満」というのは、少しズレた不満ではないかと思うわけです。もちろん、お医者さんが大変よく勉強した偉い人だということは、よく分かっている。しかし、問題は、サービス業の一端にでも従事させる経験なしに、また店の経営という視点すらないままいきなり接客の現場に投入される…という、その育成方法の欠陥から、お医者さんが自らを技術職と勘違いする点にあるのではないだろうか。社会医者を、人と人との対面で行う一種の接客業サービス認識し、そういう風に対する。しかし、医者自分技術屋と考え、技術職に対してサービス要求するのは間違っていると呟く。間違っているのはどちらなのか?

理解できない患者に「正しく正確な知識」を述べる必要があるだろうか。「風邪が治る注射してくれ」などという患者さんに「そんな薬ありません」などと正直に言って怒らせる必要カケラもないのです。とりあえず「コレでばっちりですから」といって栄養剤の点滴してやり、ビタミン剤睡眠薬を処方し「寝る前に大量のお湯で飲むように」と伝えれば十分ではないでしょうか。「そもそも薬は風邪を治すものではなく…」はいはい患者が求めているのは、そういう「正しい医療知識」なのですか。そうではなく、多くの場合患者が求めているのは「安心感」なのです。医者さんにかかれば大丈夫という、根拠のない安心感

医者さんは、もう少し上手な「商売人」であってよいと思うのです。ご自分精神衛生のためにも。それに、そうしていただけると、そのお仕事上の愚痴を時々ぶつけられたりする私たちにとっても、大変助かります(笑)

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