2012-08-16

虚構新聞なんかのために夫を嫌いになりたくない」が面白くない理由

終わったような話だけど、「虚構新聞なんかのために夫を嫌いになりたくない」(http://anond.hatelabo.jp/20120813213141)とその記事が釣りであることを暴露した「はてな匿名ダイアリーに虚構日記を書いたらホットエントリ入りしたでござるの巻」(http://d.hatena.ne.jp/muteit/20120814/1344953099)を読んで考えたことを書きます

虚構新聞なんかのために夫を嫌いになりたくない」はたくさんの注目を集めたという点で話として面白いかもしれないが、「釣り」という観点から見ると全く面白くないんですよ!虚構新聞よりも面白くないんですよ!

「ドッキリ」が面白い理由は、信じられないようなことにターゲットが騙されているのが面白いからです。嘘のような話を画面の中の人間が素直に信じてしまう(ように見える)から面白いんです。しかし、「現実と誤認する人が大勢出てきてもおかしくない嘘」に騙されてしまったひとを咎めたり、笑ったりすることが面白いとは言えません。虚構新聞で騒ぎになった橋下市長のTwitter義務化の嘘がつまらなかった理由も同じ所にあります虚構新聞場合、橋下市長がTwitterを義務化したかどうかは、嘘か真実か調べることが出来たかもしれません。しかし、「虚構新聞なんかのために夫を嫌いになりたくない」はプライベートを切り取ったエントリなので、短い文章の中から本当かどうか判別することは現実的にはほとんど無理です。つまり、「ありそうもないことをおバカさんが信じる光景を画面越しに見守る」エンターテインメントとしては失敗しているわけです。

もう一つ面白くない理由は騙すやり口です。この「釣りゲームは騙す側にとって非常に有利なゲームですよね。匿名ダイアリーという場は、エントリの内容以外の情報を読者に与えることなく、ノーリスクに嘘がつけます。個人と結び付けられていないので、嘘が見破られたとしても雲隠れして別人を装っておけば追及から逃れることができます。失敗して注目が集まらなかったとしたら、実はあの話は嘘だったとブログ暴露せずに黙ってまた新しく注目されるような嘘をでっち上げればいいんです。きっと、匿名ダイアリーにはひっそりとひと目に付かず過去ログの中に埋もれていった嘘がたくさんあるのではないでしょうか。

今回、せっかく面白い(?)嘘話でたくさんの人に興味を持たせることに成功したのに、自分ブログというホームグラウンドで一方的に勝利宣言するつまらないネタばらしのお陰で台無しです。誰かわからない人にみんな(ということにしておきます)で面白く騙されていたはずなのに、ブログネタばらしでは勝手に一人の名前を持った騙す人間とその他大勢の無名の騙されるおバカさんにすり替えられていますはてな匿名ダイアリーという土俵の上で嘘をついたなら、同じ匿名ダイアリーの中のなかで嘘をばらし、説明してほしいと私は思います

釣り」=「たくさん騙したほうが勝ちで騙されたほうが負けという暗黙のルールにのっとったゲーム」というつまらない価値観が早くなくなり、騙される側も面白い嘘だったなと思える嘘が増えてきて欲しいと思います。他にも色々書きたいことがありましたがこのへんで。

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