Studygiftの騒動で、家入氏について思うのは、彼はあんまネットみてないんじゃないかな、ということだ。そのくらい、ネットの空気感に対して鈍感になっているのを感じた。
まず最初に坂口を起用した点。「はあちゅう」的存在感全開の坂口を看板に建てるあたり、完全にネットの空気に対して鈍感になりはじめているとしか思えない。昔の家入氏ならその坂口的存在感をこそ笑っていたし、そういうネットゴロに対する健全なアンチ精神があったと思う(例えば夕日ばっかり投稿するサービスを作って、実は顔のアイコンだけで人気が決まるランキングを作るとか)。それと特に昔から面白くない(けど小中学生に人気があるから人気がある人に見えてしまう)ヨシナガ氏をプロデューサーにするとか、ほんと周りに人材いないんちゃうんかと思ってしまう。
こういう、実は「実は特に人気もないんだけど、フォロワー数や話題性で人気者風に見える人」をピークから遅れて起用するのはたいてい「数字しか見ていない業界人」の仕事(名前も聞いた事ないアフェリエイトの達人みたいなのが、さも有名人のごとくテレビに出ているときに感じるアレ。業界の中にいない人が業界を描こうとするときに生まれるあの周回遅れ感)そのもので、家入氏のアンテナの感度の低さを顕著に感じる。
(百歩ゆずってもし今回、坂口に寄付金を集めるのが本当の目的だったとすれば、先に適当な学生を何人か建てて、寄付を集めて、その後で坂口を登場させるべきだろう。)
いや、むしろ彼がそういう日本的なウェブ空間、業界のしがらみからあえて鈍感であろうとしているのも分かる。そういう異端児キャラを彼は自分のアイデンティティにしようとしているから。
ただそれならば、せめてその「あえて」感をこそ出すべきで、このやり方ではバカは騙せても、ネットの中枢にいるギーク層、論客層、はてな層、2chらーなど、「ラウドマイノリティ(少数だが影響力の強い人々)」にたたかれるのは、必然であったと思う。そこら辺を納得させる/牽制する要素が、サービスの中に何もなかったことに正直驚いた。(その辺り、ひろゆきなんかは周到に、馬鹿相手に話しつつも、常にその後ろ側にいる玄人ユーザーへの目配せを忘れていないし、はてなは逆にそこから抜け出せないんだが)
昔の家入氏はバカを装いつつもコアな部分でネット好きというのがよく伝わってきたからこそバカからもギークからも愛されていたと思う。そういう空気にきちんとリーチしたものが、ペパボ以降の彼からはまるで感じられなくなってしまった。
アホの子って
対外的に取り繕おうとしたり馬鹿野郎とかざまーみろ!とか言ってるうちはまだよくて、重症になると信者や取り巻き向けの言葉しか発しなくなるよ ただ、さすがにそこまではいかない...