はてなキーワード: 財産刑とは
日本の刑罰体系は概ね自由刑(懲役など)と財産刑(罰金など)の加重減軽によって決まるが、死刑はそのどちらにも属さない異質な刑罰であり、特別な理由のないかぎり堅持するには不自然である。
日本において死刑が認められている特別な理由とは、主に抑止論、すなわち見せしめの効果に期待してのことだが、死刑に犯罪を抑止しうるという根拠はなく、他の刑罰で十分に目的を達成していると言える。
また、応報論、すなわち憂さ晴らしの効果を期待する声もあるが、国民感情を慰撫するために人を殺すということには倫理上の重大な問題があり、きわめて野蛮であると言わざるをえない。
犯罪者の永久的な隔離を目的とするならば、終身刑で事足りるはずであり、これに反対する理由としてはコスト面での問題が考えられるが、これは「金のために人を殺すのか」という別の倫理問題となる。
死刑とは、端的に言えば「人を殺す」という悪徳によって何らかのメリットを得ようとする行為であり、ゆえに常に倫理面で劣勢を強いられる。