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2015-09-04

戦争の思い出

死ぬ前に書き残そうと思った次第。

僕が子どものころ京都の北のはずれ岩倉というところに住んでいた。

今でこそ家が立ち並んでいるが当時は戦争とは無縁な田舎だったが、

それでも大阪空襲を受けると空が燃えるように赤くなって怖かった。

当時の大人たちは次は京都の番だとささやいて恐れていた。

僕は来るなら来いと思っていた。軍国少年だったのである

有る時、親戚を頼って滋賀県虎姫の方へ移住することになった。

もう終戦間際の話である

田舎滋賀県でもさら田舎のところだから爆撃なんて受けない。

なので上空を敵国の戦闘機が飛ぶと、みんな竹槍をもって、空にむかって

エイッ、エイッと突き上げていた。

それをみなが一斉に真剣な顔をしてやっている。

軍国少年の僕もさすがに馬鹿じゃなかろうか。

田舎とは恐ろしいところだと思っていたが口にはだせなかった。

そんなある日、いつものように戦闘機が上空を飛んで、

みながエイエイッと竹槍を上空に突き刺していたら本当に戦闘機が落ちてきた。

もちろん竹槍が功を奏したのではなく、対空射撃たまたま当たったのである

戦闘機は落ちたがパイロット落下傘で降りてきた。

住民は喜んで駆け寄った。捕虜にするためではない。

竹槍で刺し殺すためである

毎日毎日鬼畜米英教育をされていたので、外国人ほとんどみたことがない

田舎者にとっては国家の敵としか見えなかったのであろう。

結局そのパイロットは竹槍で突かれ惨殺された。

僕は死体はみなかったが、地上に降りるや否や殺されたらしい。

みな敵を撃ったと喜んでいた。

当時の僕はやったかーと興奮して夜は眠れなかった。

それからは竹槍を突き刺しても戦闘機は落ちてこず、

しばらくするとピカがあり戦争が終わったのである

今でもあの時のパイロットは記録に残っているのだろうかと思うことがある。

ここに記録として残し、故人の冥福平和を祈りたい。

 
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